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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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August 23, 2018
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みなさん、こんばんは。夏休みもあと少し。
台風の行方が気になりますね。
さてこちらは年上の女性に恋をした少年の物語です。


黙祷の時間
​Schweigeminute
ジークフリート・レンツ
新潮社クレストブックス


 この物語は、学生クリスティアンが、英語教師シュテラの追悼式に参加する「現在」と、彼とシュテラが過ごしたひと夏の思い出「過去」が交錯して描かれる。不幸な海の事故で重傷を負い、亡くなってしまったシュテラとクリスティアンは恋愛関係にあった。うすうす感づいていた校長や彼女の同僚教師から、追悼式で何か述べるように、と言われるが、クリスティアンは断る。その理由は「過去」が語られることによって明らかになる。

 語り手がクリスティアン一人であるため、あくまでも彼の見たこと、聞いたことしか物語上には現れない。そのため、シュテラの生活、人物像には多くの謎が残される。追悼式で号泣した同僚教師との関係。クリスティアンが見た、ホテルで話していた相手とは誰か。夏休み明けで数日間休んだ理由は何か。年老いた父と暮らしているが、彼が病気だったからではないことは、クリスティアンの訪問で明らかになっている。そして彼女の最後の手紙の意味とは。

 もしこの作品が、成長したクリスティアンの視点で描かれたら、上記の謎が少しは明らかになっていたのではないか。勿論、当人が亡くなっているので推測の域は出ないが、シュテラはここに来る前、誰かと恋愛関係にあって、その相手から電話がかかってきたのではないか。クリスティアンとの恋愛に一歩踏み込めなかったのも、彼との年齢差以外に、別の存在があったからではないか、等々。おそらくこれを読む大人の読者ならば、あれこれと想像をめぐらせることができる要素はつまっている。ただ、その流れに沿って、何もかもを明らかにしてしまうと、この作品の恋愛小説自体の良さも消えてしまうようだ。誰かを愛そうという強い思いは、その誰かを全て知ってしまっても、なお持ち続けられるものではないからだ。全てが受け入れられたわけではなく、でも、明らかに体の関係だけではなかった。自分にとって彼女は大切な存在。でも彼女にとっては?その答えを受け取れぬままに放り出されたクリスティアン。彼の中途半端な思いが、彼女への執着とあいまって、物語を牽引する力となっている。だから、事故から何年も経った頃に、彼の視点から書かれた小説では、理性的になり過ぎていて魅力がなかったであろう。

若者の未熟さ、まっすぐさを懐かしく思う。若い情熱に戸惑いを感じながらも羨ましさを感じる。読者の年齢によって感じ方がさまざまであろう。ページ数も少ないので、ぜひ読んでみて頂きたい。


黙祷の時間 (Crest books) [ ジークフリート・レンツ ]​​楽天ブックス






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最終更新日  August 23, 2018 12:00:38 AM
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