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December 30, 2018
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みなさん、こんばんは。会社はもう休みになりましたよね?電車もすいています。
今日と明日はアイルランドの作家 フラン・オブライエンの作品を紹介します。

スウィム・トゥー・バーズにて (白水Uブックス)
At Swim-Two-Birds
フラン・オブライエン

大学生のぼくが
「一つの作品に発端が一つ、そして、結末が一つというのは承服いたしかねるところである。優れた作品に三通りの発端があってもおかしくはあるまい。共通点皆無の三通りであって、その相関関係は作者のみが洞察しうる。ついでのことに百通りの結末があってもよかろう」

などと、大作家のような事を考え付く(一度も書いたことないのに!)。
そして三つの冒頭の部分を書き始めると、同じ部屋にいて食事をしている叔父から「お前、勉強もしないで何やってんだよ!」と罵声が飛ぶ。何だかつづけてちゃぶ台ひっくり返したり、茶碗が飛んできそうだ。

 昭和のドラマみたいな始まり方をした本作は、ドラマみたいな終わり方はしない。
三つの始まりの主人公は
1.作家ダーモット・トレリス
2.犯罪者ジョン・ファリスキー
3.アイルランドの英雄フィン・マックール

執筆中の小説の主人公トレリスは、二十年も部屋にこもりきりの作家であり、トレリスは自分が創造した作中人物を同じホテルに同居させ、監視下においている。トレリスが書いている小説のなかにファリスキーが出てくるなど、この作品はいくつもの入れ子構造となっている。

「小説は密室における個人のひそやかな楽しみの具である。節度に欠ける作者の手にかかるとき、小説は独裁専制的なものになりうる。作中人物たちは別個の作品間において交換可能たるべきである。既存の全作品体系は一種の煉獄と看做さるべきであって、慧眼の作家はその領域から必要な人物を選び出すことを得るし、そこに適当な傀儡を見出しえぬ場合にのみ新たな創出をはかるのである。」

作中に小説論が登場するが、ヒエラルキーのトップにいる作家はまさにこのポリシーで書いている。しかし作家の特権を生かしてやりたい放題―まさに生かすも殺すも彼次第―するので、登場人物達は自分の意志をもち、作者の支配を脱して動き出し、物語は錯綜をきわめていく。その暴れっぷりときたら、作家がよくコメントする「登場人物達が自分の意思を持って動き出した」なんてレベルではない。
「申し分なき小説は、紛うかたなき紛い物でなければならず、読者は随意にほどほどの信頼をそれに寄せればよい」
とトレリスに言わせている通り、本作の目的は「どこまで虚構を究められるか」にある。

 ところで作品中の作者は、他の小説から登場人物を借りてくるなど、クロスオーバー的な事もやっている。つまり、一つの小説が他の小説に影響を与えているわけだ。さて現実の世界のオブライエンはといえば、本作がさっぱり当たらず、次作の『第三の警官』が出版拒否されてしまった。つまり、現実の世界でも「一つの小説が他の小説に影響を与え」ているわけで、事実が虚構を越えたのか、それとも虚構が事実を生み出したのか。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。


スウィム・トゥー・バーズにて (白水Uブックス) [ フラン・オブライエン ]​​楽天ブックス







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最終更新日  December 30, 2018 12:00:34 AM
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