|
全て
| 料理&お菓子&旅&演劇&その他2
| フランス映画
| 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ)
| その他の地域の映画&ドラマ
| アメリカ映画
| 韓国映画
| 真田広之
| 韓国ドラマ
| アメリカドラマ
| その他のジャンルの日本の小説
| 日本のミステリー小説
| イギリスドラマ
| よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥
| 漫画・アニメ
| 日本ドラマ
| 中国&台湾映画
| 日本の作家が書いた歴史小説
| 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル
| 東欧・ロシア映画
| イギリス&アイルランド映画
| オランダ映画&オランダドラマ
| 北欧映画
| その他のジャンルの海外小説
| 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル
| 日本映画
| 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| カナダの映画&ドラマ
| ドイツ映画&ドイツドラマ
| 日本のファンタジー小説
| 海外のミステリー&ファンタジー小説
| 堺雅人
| 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇
| 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ
| 山田風太郎
| 香川照之
| 松山ケンイチ
| 海外の作家が書いた歴史小説
| ジェイク・ギレンホール
| イギリスドラマ:SHERLOCK
| 塩野七生
| 吉田鋼太郎
| イタリア映画&イタリアドラマ
| ローズマリー・サトクリフ
| 大杉蓮
| ベネディクト・カンバーバッチ
| インド映画
| 長谷川博己
| 内野聖陽
| 林遣都
| ムロツヨシ
| ジョシュ・オコナ―
| 井浦新
| 菅田将暉
| ディーン・フジオカ
| 台湾ドラマ&中国ドラマ
カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさん、こんばんは。いよいよ大晦日ですね。
今年年末になってQueen映画が話題になりました。 そこでQueenのあの歌が浮かんでくる本を紹介します。かなりぶっとんでますよ。 第三の警官 (白水Uブックス 海外小説永遠の本棚) The Third Policeman フラン・オブライエン 「フィリップ・メイザーズ老人を殺したのはぼくなのです。」 思わずぎょっとする一文から始まる本作の主人公は名乗らない。どころか、途中で「自分の名前を知らない、自分が誰なのか思い出せない」などと言い出す。かといって記憶喪失かと言えばさにあらず。冒頭の告白のあと、父親が自作農で母親は居酒屋を営んでいたことなど、家庭環境はちゃあんと覚えている。両親亡き後頼りとなる身内もいないのに、早々と「農場経営は一生の仕事ではない」と決めてしまったぼくは、ド・セルヴィという学者にのめりこみ、自分に代わって酒場を切り盛りしてくれていたディヴニィに誘われるまま、研究書の出版資金欲しさに金持ちの老人を殺す。ところが肝心の金が見つからず金庫を探すうち、「否」としか言わない老人、時計が盗まれたと訴えても一顧だにしないのに自転車にこだわる巡査部長、「いつでも受持ちの巡回区域に出向いており、勤務帳に署名するのはあなぐまでさえ眠り込む真夜中に限られ」ていて「野うさぎみたいに風変りな男で、尋問をしたためしがないかわりに、いつでもノートをとっている」第三の警官に出会う。 シリアスな場面に度々遭遇しながらも一切動じた風を見せず、丁寧口調で淡々と状況を説明する僕は、信頼できない語り手である。だから彼の見るもの聞くもの、そして「やった」と言ったことまでもが、実のところどこまで本当かわからない。勘のいい読者であれば、p34で「おや、これはもしかして…」と、ある事実に気づくだろう。 ジコチューな論理で殺人を犯す所はドストエフスキーの『罪と罰』、癖の強いキャラクターと次々会っていく展開は『不思議の国のアリス』を想起させる(「そうです。ぼくは不思議の国にいるのです。」なんて独白もあり)。他にもいくつかパロディ元は思い浮かぶが、言ってしまうとネタバレになってしまうので割愛。ぼくが心酔しているという触れ込みのド・セルヴィの言葉が著書と共に度々引用されているが、彼はオブライエンの『ドーキー古文書』にも登場する、れっきとした(というのも変だが)架空の人物だ。お堅い言葉で何を語っているかと思えば、家とは「大型棺桶」「養兎場」であると言い、考案したのは「壁なし住居」と「屋根なし住居」。文字通りのすうすうした家なので「この異様な住居に起き伏ししたあげく一命を落とした病人が少なからずいた」とか。そりゃそうだ。 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 第三の警官 (白水Uブックス) [ フラン・オブライエン ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 31, 2018 12:00:36 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のミステリー&ファンタジー小説] カテゴリの最新記事
|
|