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February 13, 2019
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みなさん、こんばんは。
池江選手の病気、ショックでしたね。
コーネル・ウールリッチ作品紹介も最後です。

非常階段―コーネル・ウールリッチ傑作短篇集〈別巻〉 (コーネル・ウールリッチ傑作短篇集 別巻)
The Best Stories of Cornell Woolrich
コーネル・ウールリッチ
白亜書房


「大変だ! 大変だ! 狼が来たよ!」
嘘を言って、慌てて集まってきた村びとたちを笑い飛ばす少年の
童話『狼と羊飼い』。
もし同じ事を大人の男性がやったら、一度目で間違いなくクビだ。
「悪いことをすればどんな事になるかわかってないんだ。
責任感が希薄なんだ。仕方ない」。
大目に見られるのは、間違いなく羊飼いが、少年だから。
大目に見られる。これは子供だけが受け取る有利な点。

でも、一方で、大目に見られるって事は、それほど重きを
おかれていない事でもある。
「子供の言う事だから、信用できない。子供はよく、現実と
夢をごっちゃにするからね」。
そう言って、大人は子供の言う事に、まともに取り合ってくれない。
これは子供だけが持たされる、不利な点。

実は本当の事なのに、どうしてわかってくれないんだ。
そんな悔しい思いをしたのは、
表題作の主人公の少年。彼にとって不運だったのは、
いつも作り話をしていた事。だから彼が
「殺人を見た」。
と真実を言っても、今までの数限り無い嘘の中に、紛れてしまった。
あの羊飼いの少年が、最後に言った「狼が来た」が、今までの嘘と
同じように受け止められてしまったように。
羊飼いの言った事が本当だと知っていたのは、やって来た狼だけ。
少年の言う事が本当だと知っていたのも、当の犯人だけ。
少年が狼に追われたように、犯人もまた、少年を狙ってやって来る。
さあ、少年はどうなるのか?
絶えず入れ替わる「子供である事」の有利と不利、どちらが勝利をおさめるのか?

暗闇で展開する、いっときも目を離せないサスペンスと、後に訪れる心地よい
弛緩。いつものウールリッチ節を堪能できるが、
大人達には、時に過酷な運命を突きつけるウールリッチが、
本作や、「目覚める前に死なば」(『踊り子探偵 コーネル・ウールリッチ
傑作短編集2』所収)に登場する少年に対しては、ことさら優しい眼差し
を注いでいるように感じる。
大好きなお父さんを助けたい少年と、彼を心から愛する父親との関係は、
粗暴な父親と暖かい関係を築けなかったウールリッチの願望なのかもしれない。

夜ではない闇が登場する「セントルイス・ブルース」他
「ウールリッチよりもウールリッチらしい」と評された故・稲葉明雄氏の訳のみを
収めた本巻で、めでたくウールリッチ傑作短編集完結。

闇と光の綾なす世界を、スタリッシュな文章で綴るウールリッチ・ワールドに
接する機会を与えてもらった短編集には、本当に感謝。






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最終更新日  February 13, 2019 12:00:34 AM
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