映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
卒業式シーズンですね。サクラの開花が間に合ってよかった。

今日から4日間はジュリアン・ムーアが出演した映画を紹介します。
今回の映画で演じるのは伝説の怖いおかーさん！

キャリー
Carrie

原作
スティーヴン・キング

監督
キンバリー・ピアース

出演
クロエ・グレース・モレッツ　ジュリアン・ムーア

　狂信的な母親に育てられた内気な少女キャリーは、学校のはみだし者。しかしあることをきっかけに、自分が精神力で物体を移動し、破壊することのできる力を持っていることを知る。一方、彼女をいじめていたことを反省した女子学生スーはその罪滅ぼしに、自分のボーイフレンドにキャリーを誘って、プロム（高校生活最後のダンス・パーティ）に連れて行くよう頼む。しかし、キャリーを憎む陰湿な女子が、そのプロムの夜に、いたずらを仕掛け、キャリーは絶望のドン底に突き落とされるのです。怒りと哀しみが頂点に達したとき、彼女の力が発動して…。

　有名すぎるくらい有名な映画のリメイク。クライマックスも分かっている。でもストーリーがちょっと変わっている。そしてヒロインが普通にかわいい。いや、シシー・スペイセクはやっぱり、日本版おかめちゃんだった。クロエ・グレース・モレッツはやや自信なげな女の子ではあるが、十分かわいかったし、プロムのクイーンに選ばれても全然おかしくなかった。


　映画は母親がキャリーを出産するショッキングなシーンから始まる。これも本作オリジナル。お産婆さんも呼ばず出産したところをみると望まれぬ妊娠であったらしい。生まれてきた血まみれの赤ん坊を殺そうとするが、やはり母性が戻ってきて育てることにする。このシーンが入ることで【母親のキャリーへの愛情はある】という刷り込みが出来た。

　また、オリジナルではキャリーが総がかりでいじめられており、プロムのキング＆クイーンコンテストも、ダンスに誘ってくれる相手もみんなやらせだった。それがわかってクライマックスのキャリーの怒りだから、視聴者は100％キャリーに共感した。たとえ血まみれでも。

　ただし、今回はプロムのパートナーは純粋に友情で誘ってくれていたし、決してキャリーをないがしろにしなかった。血を浴びたキャリーを笑い飛ばすこともなかった。スーもいじめっ子が何か企んでいると知り、すぐに学校にかけつけるいい子だ。キャリーを気遣ってくれる先生もいて、プロムのパートナーの親友カップルなんかは自然にキャリーを受け入れてくれていた。

　それなのにやはり結果は同じ。すると「どうにかならなかったのか」という思いが前作より強まる。前作ではプロムの惨事以来キャリーは破滅に向かって一目散に突っ走っていたけれど、今回は留まれる場面があった。能力があることをただ恐れるのではなく、自分が優位に立ったことを知っており、自覚的に破滅に突き進んでいったような、ある意味、変な言い方だが、前向きなキャリーになっていた。

　キャリーに性別を言い当てられたあの子が第二のキャリー…なんて続編にはならないですよね。


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