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August 3, 2019
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みなさん、こんばんは。日韓の交流まで取りやめになるケースが出ましたね。
今日からは三代にわたるデュマ家サーガ三部作です。
まず、アレクサンドル・デュマの父親から始まります。

黒い悪魔
佐藤賢一
文藝春秋

「泣きたい時は、コートで泣け」と言われたのは、岡ひろみだった、藤堂ではなく。
これは漫画「エースをねらえ!」の話だが、実際男性諸氏は、親-特に男親から
「めったな事で泣くもんじゃない。男らしくない。」
と、散々言われて育ったらしい。
「それって、辛くなかった?」
そう聞くと、
「まあ、長年言われちゃうとね。」と苦笑いする人、
「全然。」と言い切る人、さまざまだ。
では辛い時、彼等はどうするか。我慢をする。それも、とびきりの
やせ我慢を。

この「やせ我慢男」を書かせたら、とてつもなくうまいのが
佐藤賢一氏。
「二人のガスコン」の主役二人も、「王妃の離婚」のフランソワも、
「ああ、もう、ここで折れてしまえば、楽になるのに!」
という場面で、とびきりのやせ我慢を貫き通す。
本篇の主人公、トマもまた、やせ我慢男の一人だ。

最初「佐藤賢一がデュマの連載を始める」と聞いた時、
「ああ、とうとう真打ちの登場か。」と思った。
『二人のガスコン』で著者が大好きな『三銃士』を取り上げ、
更に『ダルタニャンの生涯』でその主人公の実像に迫り、
とうとう生みの親を書くのか、と。
ところが、始まった連載を読むと、どうも勝手が違う。
主人公は、大デュマ-アレクサンドル=デュマのおとっつぁんだった。
「もしかして、宮本昌孝氏の『ふたり道三』宮城谷昌光氏の『晏子』
のような、親子二代に渡る物語になるのかな?」と期待しながら
読み進んだ。だが、どうやらそうではないらしいと
気づいた時には連載が半分以上進んでいて、
佐藤作品お馴染みの、「宿命の女性との結ばれぬ恋愛」
「父親(または年輩者)との衝突」
「現場をわかってくれない中央指導部」の要素が出てきているこの
作品に、どっぷりと漬かっていた。そして後半には、
「なーんか、どっかで読んだことあるような」話が出てきた。
ははん、なるほど、そうですか。
あの作品のモデルは、おとっつぁんだったのですね、
デュマ殿。
まあ、オリジナル作者が存在したにも関わらず、『三銃士』も
デュマが書いた作品の方が断然面白い、といいますから、
モデルがいたからと言って、作品自体の面白さが半減するなんて
事はない。本当のトマの生涯を読んだ後に、この本を読んでも
「やっぱり面白い!」
と感じるように。

佐藤氏の他作品のやせ我慢男と同じく、トマは時の権力者に対して意地を張るため、アウトローの道を
辿らざるを得ない。そして末路は、
「幸せに暮らしましたとさ、めでたしめでたし。」
というエンディングとは程遠い。
けれど、それがわかっていながらも、彼は、やせ我慢を手放さない。
それが彼の美学だから。それが、彼の「生きる」事そのものだから。
やせ我慢の美学を貫き通せない現在だからこそ、
苦境において、とことん自分を手放さない主人公の生きざまが、とても
眩しく、羨ましく映る。

このやせ我慢の遺伝子が、どう伝わっているかを知りたい方は現在別冊文芸春秋で連載中の「褐色の文豪」で確かめられたし。こちらは、大デュマが主人公となる。


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最終更新日  August 3, 2019 12:00:20 AM
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