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September 20, 2019
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みなさん、こんばんは。大阪なおみ選手、またコーチを辞めさせたんですね。
大丈夫なんでしょうか。

今日からは韓国文学特集です。

惨憺たる光 (Woman's Best 9 韓国女性文学シリーズ6)
ペク・スリン
書肆侃侃房

おかざき真理さんの漫画『ダイヤモンド』は友達の彼に恋する女性の物語だ。「私は彼女より彼の事がわかっている」と思っているヒロインは「彼の方もそうなんじゃないか」と様々な出来事から考えるようになり、遂に告白しようとするが、察した彼に止められる。その翌日友達に呼び出されたヒロインは、二人が婚約したことを知り
「言わなかったから 私はまだ 何も失くしてないって言える
 でも 言わなかったから そのダイヤモンドはもう手に入らないんだね」
というヒロインのモノローグが入る。言っても言わなくても失うものはある。どちらがいいのかは、決めた本人しかわからない。

 短編集の登場人物達は、概ね言わない。言おうとするが、躊躇う。
『ストロベリー・フィールド』のヒロイン・ジユンは、この漫画と似たような立場に立つ。イギリスにやってきたジユンは、同じ韓国人のユラと英国人ジュードのカップルと親しくなる。ユラは結婚を考えるが、親の反対にあったり将来暮らす場所などで折り合わず、別れてしまう。ジユンはある日ジュードに「泊まってく?」と誘いをかける。語り手たるジユンは韓国語で言ったのでジュードが意味をわかったはずがないと書くが、その結果彼がどうしたかは書かれていないのが何となく意味深だ。何もなかったにしてはジユンが「ひょっとしたら私が決別の原因になったかもしれない」と書いているし、「そして何よりその頃の私を襲っていた感情の実態が何だったのか、私には決して説明できない」と言いながら思い出の街リヴァプールを観光しているのもセンチメンタルジャーニーめいている。

 『時差』は叔母が結婚前に生んだ息子-つまり従兄‐に逢うよう母親に頼まれたヒロインの物語。叔母に血を分けた息子に逢う意思がないことを告げるよう言われるが、彼女はずるずるとソウル観光をするが、従兄は既に察していた。しかし彼女は「数日後に大陸に向かって飛んでいく彼が横切るのは、緯度や経度だけではない」などとあれこれ考えはするが、彼の想いを推し量ることができないし、彼も心情を吐露しない。「あなたはもう韓国には来ないでしょうね」とも「また韓国に来てね」とも言わない。言うことで、繋がりが生まれたかもしれないのに。

 表題作は久々に韓国に帰国した女性監督アデル・モナハンと、彼女のインタビューを取ろうとする雑誌編集者ジョンホの物語だ。着くなり非協力的な彼女に戸惑いながらあちこち連れ回されるが、ある時前から言われていたにも関わらず、ジョンホがトンネルを通った事で彼女の様子が一変する。後にその理由についてアデルが訥々と語る場面があるが、ジョンホは彼女が望むであろう慰めを一切口にしない。

 言えば何らかの共感・好感が生まれたかもしれない人間関係がいくつも登場する。生まれる=光であり、だから登場人物の多くは光を肯定的に捉えず、避けようとすらする者もいる。但しラストの『国境の夜』のみ、主人公自ら光を求めて出てゆく。ラストにこの作品を持ってきたという事が、著者なりのメッセージかもしれない。


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最終更新日  September 20, 2019 12:00:21 AM
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