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September 23, 2019
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みなさん、こんばんは。
貴景勝大関に返り咲きますね。素晴らしい。がんばりましたね。栃ノ心は大関陥落ですね。

今日も韓国文学を紹介します。

外は夏 (となりの国のものがたり)
It’sSummer,Outside
キム・エラン
亜紀書房

「セウォル号以後文学」というジャンルが韓国でできた。三豊百貨店崩壊事故や大邱市の地下鉄工事現場ガス爆発事故など、韓国では過去に大規模な事故は起こっているが、やはりセウォル号事件は最も最近であり、印象が強い。かつ、テレビを通じて彼らは乗客の命が失われる様をずっと見た。その事が人々の心に喪失=セウォル号として刷り込まれてしまった。

 登場人物達はある時点で大切な存在を失う。幼い娘、可愛がっていた犬、恋人、何でも分かっていると思っていた子供の心、無垢だった自分、大切な人。もう一つ、これをしたらなくしてしまう。もう少しで、なくす時が来る。知った時にはいつも遅い。先の事を知っていれば、絶対に、別の行動を選んだろう、と彼等は一様に悔やむ。しかし、兆しが途中であったとしても、えいや、と乗り越えてしまった人もいる。無くす日がくることはわかっていたのに。

 本編は、総ての作品が何らかの形の「喪失」をテーマに据えており、思わず笑ってしまうダメオヤジが登場する走れ、オヤジ殿とは真逆の短編集だ。とはいえ同著者の『どきどき僕の人生』も、語り口調こそユーモラスだったものの、早老症の主人公と両親はやがて別れる運命にあり、先に喪失を見据えていた。

 喪失がテーマになれば、期待されるのは「喪失を乗り越える再生」というドラマだが、あいにく今回の登場人物達は立ち上がるところまで辿り着かない。喪失を味わう所で終わっているので、元気をもらうわけにはいかないだろう。これもまたセウォル号事件と関連していると感じた。なぜならば、セウォル号事件の遺族達の中には、遺体が発見されてまず感謝の言葉を述べなければならなかった人もいたからだ。結局遺体が発見されなかった人達に比べれば、弔うことができたのは捜索に尽力してくれた人達のおかげだからいつまでも嘆いていてはいけない、という外圧もあったようだ。しかし心に空いた穴に蓋をすることができず、耐え切れず死に引き込まれてゆく人もいる。

 以前キム・エランは「物語こそが死に抗する手段」と書いていた。書くことは心を落ち着かせる。ならば、書かれたものを読み、自分で反芻することで、自分の中の喪失と向き合い、淵の一歩手前で立ち止まる読者もいるだろう。


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最終更新日  September 23, 2019 12:00:20 AM
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