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October 9, 2019
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みなさん、こんばんは。ノーベル賞の発表が始まりましたね。
北欧ミステリを紹介します。
何と書いているのは何年も続いた貴族の末裔だそうです。

1793
ニクラス・ナット・オ・ダーグ
小学館

手足を切断された死体が湖で発見される。四肢は切り落とされ、眼球をくりぬかれ、舌と歯も奪われ、美しい金髪だけが残されていたこの死体を発見したのは引っ立て屋のジャン・ミカエル・カルデル。フランス革命の余波で前年にグスタフ国王が暗殺され、国王・貴族と民衆の間に不信感が漂っていた。警察の依頼を受けて若き法律家セーシル・ヴィンゲと成り行きで事件にかかわることになったカルデルが捜査に乗り出す。

 今では北欧のヴェニスと言われるほどのスウェーデン、ストックホルムも18世紀末は汚い街だったようだ。死体が浮いていた湖には下水が流れ込み、道端を歩いても何を踏むか分かったものではない。しかし目に見える汚さだけがスウェーデンを覆っていたのではない。1793年-王太子はまだ幼く摂政政治が行われており、政情が安定していない。権謀術策に溺れ自分だけが助かろうとする人々の心もまた汚かった。

 本編は1793年の一年間が舞台だが、事件が起きた秋から時系列に沿った話が進むのではなく、そこから夏、更に春へと時間を遡り、最後に冬という構成になっている。捜査陣は当然ながら事件発覚の秋からしか始動しないため、春と夏は別の主人公が登場し、総てのカードが出揃う冬で彼等の繋がりが明かされる。

 一年という限定された期間なのは、有効な舞台として使えなかったからだ。ヨハン・グスタフ・ノルリーン警視総監は優秀であるにもかかわらず(優秀であるが故に)たった一年で解任され、横領の罪を犯した人間が次の警視総監に就くことが決まっていた。民間人ながら優れた推理力と見識を持つ、二人のうちの旗振り役であるヴィンゲや、街のごろつきと変わらない風貌のカルデルを支援してくれる体制が整わないと、捜査自体が成り立たない。そこで、何かあった時の抑えという役割をノルリーンが果たせるこの一年が選ばれた。

 主役二人には最初から欠けがある。ヴィンゲは労咳で治る見込みがなく、自ら率先した浮気で妊娠した妻とは別居状態にある。カルデルは先の大戦で右腕を失った。立場的にも容貌的にも、誰からも歓迎され、進んで情報を提供してくれるような探偵コンビではない。また、名探偵の常として、犯罪者心理を読めるということは、自らが彼等に最も近い存在となる危険をはらむ。我らがヴィンゲも例外ではなく、ある人物に
「あなたもやはり狼なのだ。そうとわかる程度には狼をたくさん見てきたし、たとえそうでないとしても、あなたはほどなく狼と化す。狼とともに走るには、彼らの流儀を受け入れるしかないからね。あなたには牙があるし、瞳は捕食者らしくぎらついている。血に飢えていはいないとあなたは言ったが、それでも悪臭のように飢えがつきまとって見える。いつの日か、あなたの歯は真っ赤に染まり、おれの言葉が正しかったと証明されるだろう。あなたの牙は獲物に深く食い込む。(中略)あなたこそがほかの狼の上に立つ日が来るかもしれないな。」

などと意味深な事を言われる。

 本編は三部作だそうだ。探偵役の一方が、今にも死にそうで警察では悪趣味な「いつ死ぬか」という賭けまで開催されているほどだが、果たして彼が狼と人間の間で葛藤する姿を見せてくれるのか。それとも、一作ごとに主人公を変えて、或いはスライドさせていくのか。


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最終更新日  October 9, 2019 12:00:20 AM
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