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December 8, 2019
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みなさん、こんばんは。今日は何の日か知っていますか?

朝、目覚めると、戦争が始まっていました
方丈社編集部、武田砂鉄
方丈社

 男女が表紙写真で新聞を広げている。男性は微妙だが、女性は微笑んでいる。表に踊っている見出しは“米英に宣戦を布告”。昭和16年12月8日朝である。運命の日は、こんなふうに穏やかに始まった。

本編はラジオニュース(午前七時)から始まり、ラジオニュース(午後九時)で終わる。今ほどテレビが普及していなかった時代だ。頼りになるのは声しかないし、限られた情報である。午前十二時・東條英機首相演説から九時まで五回にわたって放送が行われた。

 東條英機首相演説では「東亜全曲の平和はこれを念願する帝国のあらゆる努力にもかかわらず、遂に決裂のやむなきに至った」「遂には帝国の存立をも危殆に陥らしむる結果となる」と言い訳が並ぶ。そして「自存自衛を全うするため(中略)立ちあがるのやむなきに至った」と結ばれる。

 「ペルリによって武力的に開国を迫られた我が国の、これこそ最初にして最大の苛烈極まる返答であり復讐 維新以来我ら祖先の抱いた無念の思いを、一挙にして晴すべきときが来た」と捲土重来を果たそうと燃えている者もいれば、わかりやすくラジオに向かって「ばかやろう!」とどなった者もいる。「もっと強くこの戦争に反対することができていたなら」と悔やむ者もいる。

 誰が言ったかは特に書かない。結果から12月8日の言動を見れば二通りの判断ができるが、実はそれは後出しじゃんけんのようで、あまり意味がない。それにここには戦争に兵士を送り出す側の女性の声がない。しかし男性だけでも、これだけ意見のばらつきがあったのだ。誰もが一億火の玉になって進んでいったわけでもなければ、“打ちてし止まん”と竹槍を勇ましく抱えたわけでもない。そんな人達を一つの方向に無理やり向けさせてしまうのが、戦争という最も大きな暴力である。

 太宰治の小説『十二月八日』の主人公は一家の主婦だ。夫は小説家だというので太宰本人を模しているのかもしれない。戦争が始まったらラジオが要るから、新しいのを買ってもらえるかな?とか、国民服どうしよう、とか、身近な心配をしている。それは町の様子が「平生とあまり変わっていない」からだ。とはいえ、ラジオは軍唄のオンパレード、演習でなくなった灯火管制など、少しずつ非日常が侵食している様子も描かれる。何事もない一日だが、何かが変わりゆく一日。そして人々は変化に気づきながらも、その先の大きな変化に思いを馳せるはずもない。変化はこのように訪れ、やがて火だるまになる。私達の周りに、今、くすぶる熾火はないだろうか。


朝、目覚めると、戦争が始まっていました [ 方丈社編集部 ]​​楽天ブックス






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最終更新日  December 8, 2019 12:00:24 AM
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