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みなさん、こんばんは。感染者が出ていない岩手も含めて全国に緊急事態宣言出ましたね。
今日もニコラス・ケイジ主演作品を紹介します。

オレの獲物はビンラディン
ARMY OF ONE

出演
ニコラス・ケイジ　マシュー・モディン

音楽
デビッド・ニューマン

　コロラド州の片田舎に暮らすゲイリー・フォークナーは、アメリカ同時多発テロ事件の首謀者とされるテロリスト、オサマ・ビンラディンの居場所を政府が突き止められないことにいら立っていた。ある日、神からビンラディン捕獲の啓示を受けたゲイリーは祖国を救うため、ヨットと武器の日本刀を入手し、単身パキスタンに乗り込んで……。

　幼い頃のゲイリーが冒頭少しだけ映る。メガネっ子で見るからにいじめられっ子。それがどうやれば中年になると、あんなに冴えない外見になるのか。そして立派なお腹。

　祖国を愛するあまりたった一人でオサマ・ビンラディン捕獲に挑み、2010年にパキスタン当局に拘束されたアメリカ人男性の実話に基づく。それにしても大胆な邦題だ。アメリカでしか作れまい。

　ゲイリーの人生の節目に必ず現れる幻のキリストがどう考えてもおかしい。「右の頬をぶたれたら左の頬を差し出せ」と説く人が、なぜあんなにイライラしながら「ビンラディンを捕まえろ！」とゲイリーに力説するのか。そこは「罪を許して人を憎まず」と教える所だろう。「殺せ」と命じなかったのがせめてものリアルなのか。

　ラストに実写映像が挿入される。また劇中登場する当時のオバマ大統領によるビンラディン暗殺の声明も実写。『アイ、トーニャ』の時も「俳優が演技でデフォルメしてるんだ」と思ったが、でっぷりしたお腹は本人そのものだった。ニコラス・ケイジの増量お疲れ様。ゲイリーを診察し、彼のたわいない嘘にころりと騙されてしまう医師を演じるのはマシュー・モディン。ニコラス＆マシューとくれば名作『バーディ』のコンビなのだが、二人とも思えば遠くまで来たもんだ。

　原題'Army Of One'は2001年から2006年までのアメリカ軍で使われたリクルートのスローガンである。ニコラス・ケイジによれば完成作には不満だそうで、理由は監督のラリー・チャールズに編集権がなかったからだ。



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