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映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

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November 12, 2020
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みなさん、こんばんは。アニメ「鬼滅の刃」すごいヒットしてますね。

H・G・ウェルズといえばSF小説のイメージが強いと思いますが、
今日紹介するのはフツーの小説です。

ポリー氏の人生 (エクス・リブリス・クラシックス)
​The History of Mr. Polly
H・G・ウェルズ
白水社

 主人公ポリーの第一声は「「穴ぼこ!(Hole!)」だ。一度では気が収まらないのか、"'Ole!穴ぼこ!"と続き、とどめで. "Oh! Beastly Silly Wheeze of a Hole!おお、おぞましい、アホな喘息病みの穴ぼこ!"と穴ぼこ三段活用をやってのける。これでは、第一印象で好きになってはもらえなそうだ。

 この後も帽子が見つからないと言っては妻に当たり、妻がわざわざ好物を作ったのに癇癪を起して出ていってしまう。おやおや、第二印象でも無理じゃないか。


 これほど不機嫌な彼は、もう人生に疲れ切ったのかと思いきや、まだ三十五歳だ。諦めて生きるには、人生は長すぎる。では、なぜ彼はこうなったのか。ポリー氏は七歳で母親を亡くして以来、親がこうと決めた教育を一方的に押し付けられた。興味の範囲は別にあってもお構いなしで、将来の職業に役立つものだけを熱意のない教師が教えていた。子供達が自分の望む教育を自分達自身で選べるならば、逃げ出す事は可能だ。しかし経済的基盤もない子供は、押し付けられたものをただ受け入れるしかない。彼が三十五にして既に枯れているのはこういうわけだ。

…と言いたいのは、「宇宙戦争」などSF小説の大家のイメージが強いH・G・ウェルズ、この本を書いた本人だ。ウェルズは教育を受けて作家になり、教育が人生に与える影響について身をもって知っていた。「望む時にしかるべき教育を受けていれば、人はきちんと生きていける」という思いがこの本を書かせた。

 但し現代感覚で見ると「あまりに教育のせいにし過ぎでは?」と問いたい部分もないわけではない。とりわけ彼のプロポーズシーンはあんまりだ。人としての資質の問題じゃないのか、と問いたくなる。だが何よりも、基礎的な教育を受けられた我々は、確かに昔より余裕があり、社会や家族の支援を受け、多数の見守る目の中で育った。しかし、ポリーはそうではない。頃はエドワード朝時代。産業革命後、ますます国力を増すイギリスは、がっちりと階級社会が出来上がり、富める者と貧しい者は、決して入れ替わることはなかった。教育はつまりは、手をかけられる、愛される、ということだ。「人類の五分の一以上を統べる者rulers of more than one-fifth of mankind」として教育を受けられた者は、全体のごくわずかだ。ウェルズが、そしてポリーが戦った敵は、彼方の宇宙人よりも、遥かに、遥かに、強かった。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。


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最終更新日  November 12, 2020 12:00:15 AM
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