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カテゴリ:日本の作家が書いた歴史小説
みなさん、こんばんは。温泉に行きたい季節になりましたね。でもコロナ感染で思うように行けない人も多いでしょう。
今日は温泉で働く若者が主人公の時代小説を紹介します。 湯けむり浄土―花輪大八湯守り日記 高橋義夫 中公文庫 二十歳の藩士で具足術の名手・花輪大八は希望なき部屋住の身。同じ部屋住み仲間を人質に取られて、他の藩士と立ち会う羽目に。相手を殺しはしなかったものの、所謂喧嘩両成敗で勘当される。別名『火花の大八』と呼ばれる弟を心配した兄が、追いやった先は、新庄領外れの肘折温泉(実在)。彼に振り当てられたのは、剣を使う用心棒ではなく、湯守り。いくら『火花の大八』でも、山深い湯治場で湯守りをしていれば、炎が上がる事はないように見えたが。 湯守りとは、銭湯の風呂番みたいな役職で、主な収入は湯治客が飲む酒代と湯銭。湯銭は規定料金でも、酒代はまとめて支払われるので、少し利鞘を稼げる。地元の人々に実務を任せ、お気楽な島流しの身だったはずが、前の湯守りが酒を売っ払って夜逃げするわ、湯笠(温泉の屋根)は壊れてるわで、「こりゃあ絶対安穏としてられないぞ」という雰囲気が漂う。そんな中に、腕っぷし自慢の狭い世界しか知らない武家の次男坊が飛び込んでいくのだから、そりゃあもう前途多難。早速自分で修繕しようと湯笠に取り付いたら、それが壊れて湯壺に墜落。迎える側も、「トラブル続きの温泉の湯守りを、あえて引き受けたのだから、曰くがあるんだろう。」と大八を遠巻きに。けれど両者の距離は、仇討の父子、負傷した相撲取りなど、いわくありげな湯治客たち絡みの問題に互いに協力しあう事で、縮まってゆく。そして大八は、勤番の老人・勘兵衛、張番の次郎吉、世話役の六兵衛や奉行所の手先・伝兵衛らと知りあう事で、人生というものを、身をもって知ってゆく。実際、大八の場合は、文章で何度叩きこまれるよりも、体験で知った方が、人生訓を身につけやすかったろう。「売られた喧嘩は、買わなきゃ男じゃない」なんて単細胞丸出しだった大八も、事を起こす前にまず、一歩立ち止まって考えられるようになる。そして、こんな事さえなければ出会う事もなかった人たちと関わる事で、人生を生きる上での答えがいくつも見えるようになる。そう、昔は皆そうやって、成長していったのだ。 都会から来た若者が、仮の住処、仮の生活と考えていた田舎の生活にいつしか馴染んでゆく過程や、最後に自らの過去の因縁と向き合う所は、著者の直木賞受賞作「狼奉行」と共通。大八はこちらに根を下ろし、武家社会には戻らないだろう事を、やんわり示唆して物語は終わる。因縁の相手とのケリのつけ方も、いかにも湯治場らしい。さて、今、何かわだかまっている事があるそこの貴方。ひとつ湯治場に出かけて、「水に流して」みちゃあ、いかが? 『中古』湯けむり浄土—花輪大八湯守り日記 (中公文庫)KSC お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 29, 2020 12:00:20 AM
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