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December 5, 2020
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みなさん、こんばんは。社民党が分裂しちゃいましたね。土井たか子さんの時は飛ぶ鳥落とす勢いだったのに。
今日もルース・レンデル&バーバラ・ヴァイン作品を紹介します。


ロウフィールド館の惨劇
A Judgement in Stone
ルース・レンデル
角川文庫

「ユーニス・パーチマンがカヴァデイル一家を殺したのは、読み書きができなかったためである。」

本編は第一行で「誰が誰をなぜ殺したか」を明言している。ミステリーでこれを書いてしまうと、ほとんどの読者はそこで先を読む必要もないと感じる。しかし先を読みたくなる。なぜならば、こう続くからだ。
犯行の二週間後ユーニスは殺人のかどで逮捕された―それも字が読めなかったばかりに。だがそればかりではない経緯があったのだ。
“それだけではない何か”は頁を繰らないとわからない。

 ユーニス・パーチマンは家政婦としてカヴァデイル家にやって来る。職業柄メモを渡され買い物や用事を頼まれる事があったにも関わらず、ユーニスは類まれな記憶力や知恵により窮地を切り抜ける。頼まれた用事が出来ていなくて何か変だと思った主人のジェームズも妻のジャックリーンも、立ち入って訊くことはせずに流してしまう。それはひとえに、ユーニスが彼等の友人でも家族でもなかったからだ。当たり前のことながら。

「カヴァデイル夫妻が、ユーニス・パーチマンについて考えたことは、彼女の仕事の能力と、自分たちに対して礼儀正しくふるまうかどうかという点だった。」

「荷役馬によい厩と飼葉桶をあてがうように。彼女に満足してもらいたかった、満足してもらえれば居ついてくれるだろうから。だが彼女をひとりの人間として考えたことは一度もなかった。」

「ユーニス・パーチマンの過去がどうであったかというようなことは思いうかばなかった、ここに来ることに不安をいだいているかどうか、自分たちにおとずれたような希望や怖れに彼女も見舞われたかどうかというような考えは。その時点ではユーニスは彼らにとっては機械にすぎず、その機械が満足に動くかどうかは、ほどよく油がさされるかどうか、屋根裏部屋までの階段に不服をとなえないかどうかにかかっていた。」

 これでもか、とばかりにカヴァデイル夫妻の“上から目線”とも言えるユーニス観が並べられるが、実際彼等が特段非難されるべきではない。むしろアッパーミドルクラスが家政婦を雇う際の、ごく当たり前の感情であろう。そもそもユーニスの爆発を招いたのは、一家の娘ミリアムの、いかにも良家の子女風の“差別するのはいけない”という考えから出た一言だった。いや、この一言が出たとしても、とある人物さえいなければ、ユーニスは冒頭の行動に移さなかったかもしれない。自分は絶対正しいと信じる人&自分を丸ごと受け入れてくれる人(思惑はさておき)の後ろ盾によって、世にも恐ろしい事件の引き金が引かれる。

 最後を最初に知らされているので、読者としてはもう気が気でない。その日がいつかまでも知らされているのだから、季節が進むのを安穏と眺めてなどいられない。「ああ、この時に気づいていたら」「この時こうしていたら」と地団太を踏みながら、変えられない一日に向って私達読者はただ頁を繰る事しかできないのだ。


2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。



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最終更新日  December 5, 2020 12:00:21 AM
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