映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。俳優のマイケル･J･フォックスが引退を発表しましたね。
今日から3日間黒木華さんが出演している作品を紹介します。

永い言い訳
The Long Excuse

原作＆脚本＆監督
西川美和

出演
本木雅弘　深津絵里　　竹原ピストル　池松　壮亮　黒木　華　山田　真歩
マキタスポーツ　戸次　重幸　木村　多江　堀内　敬子　

　人気小説家の津村啓こと衣笠幸夫の妻で美容院を経営している夏子は、バスの事故によりこの世を去ってしまう。しかし夫婦には愛情はなく、幸夫は悲しむことができない。そんなある日、幸夫は夏子の親友で旅行中の事故で共に命を落としたゆきの夫・大宮陽一に会う。その後幸夫は、大宮の家に通い、幼い子供たちの面倒を見ることになる。

　『ディア・ドクター』『ゆれる』などの西川美和監督は、特に映画の中で“悪”とみられる人達を断罪しない。偽医師や故意か事故かで女性を突き落とした男を社会は断罪するが、映画の眼差しはフラット。今回は逆である。注目を浴びる小説家は愛妻を事故で亡くした悲劇の人として社会から労わりをこめて受け入れられる。一方、二人の子供を抱えたトラック運転手は事故後更に生活が厳しくなる。妻に任せきりにしていた育児がふりかかるが、仕事の都合で引き受けられない。そこにひょんなことから小説家が現れ彼の負担を肩代わりする。

　妻とはとげとげした会話（常に自分がマウントしようとする）をしていた小説家が、ストレートな言葉をぶつけてくる子供には大人目線になってオブラートに包んでメッセージを伝える。妻に出来なかったことの代償行為を無意識とはいえやっていることになる。だから子供達の世話を申し出てきた第三者に対してあれだけ激しく反応したのだろう。“子供を奪われる”という嫉妬だけではなく。子供の世話から離れれば、逃げてきた現実と向き合わざるを得ない。“妻は子供を欲しがってたんじゃないのか” “妻は自分を愛していたのか”もっとつきつめれば“妻はどういう人だったのか”。言葉という武器を駆使できる小説家が、何の言葉も浮かばない袋小路に追いやられる。

　いやぁ、イケメンはダメ男を演じてもイケメンなんだ、というのが第一印象でした。うわ申し訳ない。多分俳優の見て欲しい所はそんな所じゃないのに。イケメン俳優はタイプキャストされたカッコいい役ではなく、わざと悪役や崩れた役を演じて縁起の幅を広げている所をアピールしたいのだろうに。


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