映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。札幌と大阪でGOTOキャンペーンが中止になりましたね。
今日もエル・ファニングが出演する映画を紹介します。

20センチュリー・ウーマン
20TH CENTURY WOMEN

監督＆脚本
マイク・ミルズ

出演
エル・ファニング　アネット・ベニング　　グレタ・ガーウィグ　　ビリー・クラダップ
ルーカス・ジェイド・ズマン

　1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ、自由奔放なシングルマザーのドロシアは、15歳の息子ジェイミーの教育に頭を悩ませていた。そこで、ルームシェアしているパンクな写真家のアビーと、近所に暮らすジェイミーの幼なじみジュリーにジェイミーの教育係になって欲しいと申し出る。

　マイク・ミルズ監督が、自身の母親をテーマに撮影。同じく自伝的作品『人生はビギナーズ』で描いたように母の死後ゲイであることをカミングアウトした父がいるのだから、父親のいないジェイミーイコールミルズ監督というわけではない。

　それにしても、いくら自分が40代で生んだ子で、ジェイミーの気持ちがわからないといっても、普通は少年の人生の指南役は、同じ性別の人に頼むものだ。それなのに敢えてジェイミーと同い年のジュリーや、色っぽくないとはいうものの、病を抱え恋愛も不得手な年上のお姉さん的ポジションのアビーという女性に頼むのが面白い。そのおかげで変なマッチョイズムに染まらないで済んだジェイミーだが、反対に本音を口にして今度は同い年の男子たちにボコボコにされる羽目に。教えられる側もそうだが、教える側もまだ成長の途上にあり、失敗をしては学ぶ毎日だ。人呼んで“大恐慌時代の女”ドロシアにもそれは当てはまる。ただ、修羅場をくぐってきただけ、ふりかかる困難に最も強いのも彼女だ。

　この映画のことを「自分に人生を教えてくれ女性達へのラブレター」だと言っていた監督。映画に流れるパンクを中心とした音楽といい、自分の少年時代を懐かしんでいる事が伝わってくるので、基本的にどんなダメ人間でも愛情を持って描いている（特に母親）。都合のいい時だけジェイミーを頼って来るジュリーは人によっては嫌なオンナっぽく描けたキャラだがミルズ監督はそうしなかった。それにしても大御所アネット・ベニングに対して一歩も引かない小悪魔的だが不安定なジュリーを演じたエル・ファニングは大した女優だ。


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