映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。桜を見る会の新事実がいろいろ出てきたのに国会閉会しましたね。
今日は宮沢賢治がらみの映画を紹介します。もちろん舞台は東北です。

星めぐりの町​

監督＆脚本
黒土三男

出演
小林稔侍　六平直政　平田満　高島礼子　壇蜜　佐津川　愛美　神戸浩

　愛知県豊田市。病気で妻を早くに亡くした後、自動車整備工として働く娘志保と二人で暮らしながら豆腐屋を営む島田勇作は、手作りにこだわった豆腐を主婦や居酒屋に届ける毎日を送っていた。ある日、亡き妻の遠縁にあたる少年で、東日本大震災の津波で家族全員を失った政美がやってくる。たらい回しにされた末に、自分のもとに来た彼を迎え入れ、時間をかけてじっくり向き合おうとする勇作に、固く閉じていた心を少しずつ開く政美。そんなある日、勇作が配達に出ている最中、町を大きな揺れが襲った。1人で留守番をしていた政美は震災の恐怖がよみがえり、忽然と姿を消してしまう。

　黒土監督が東日本大震災で被災し、姉を頼って愛知県豊田市に移住したことをきっかけに生まれた。数々の映画やテレビドラマで活躍してきたベテラン俳優・小林稔侍が映画初主演を果たす。主人公である豆腐職人・勇作の人物造形には、高倉健が念頭にあったという。えっまかり間違えば高倉健が豆腐屋を！

　大量販売に傾かず、自分が出来るだけの豆腐しか売り歩かない。どう考えても赤字だろうと思うのだが、豆腐が他にはない味を持っており高級料亭に納めているほどで、豊田を代表する会社社長がわざわざ訪ねてきたりする。目の前の仕事を実直にこなす口数の少ない主人公を周囲が認めてくれる優しい世界。豊田市なのでわざわざ宮沢賢治の詩を言葉にして出さなくても、主人公の生き方を見せていれば十分にメッセージは伝わったのでダメ押し感＆取ってつけた感が。

　少年がラスト以外台詞を口にしない。その台詞も宮沢賢治の有名な詩の一部で、彼自身の心情は全く吐露されない。台詞がなくてももうちょっとわかりやすい演技をつけてあげればどういう子なのかわかったのに。バックグラウンドの紹介だけでこういう子です、わかるでしょ、とほうり出した感が。愛知県・豊田市で全編ロケ撮影。電気が通っている時代に竈でご飯を炊く。壇蜜がバイクを乗り回す姿が見られる。恋物語は要らなかったのでは。



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