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December 23, 2020
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みなさん、こんばんは。噺家の林家こん平さんが亡くなったとか。まだ77歳なのに。

今日も藤沢周平作品を紹介します。

竹光始末
藤沢周平
新潮社

「武家というものは哀れなものだの。」
こう呟いたのは、立ち合いで負けた方ではなく、勝った男、小黒丹十郎である。彼は相次ぐ主家の不幸によって、妻子を連れ、浪々の身となった。海坂藩で新規召し抱えの話を聞き、紹介された物頭・柘植八郎左衛門を訪ねて来たが、その話は一月も前に終わっており、彼の登場は柘植にとって、「芝居の幕が下りてから大真面目で舞台に出てきた役者をみるような、滑稽なもの」でしかなかった。身なりにおいても、その行動においても氏は、「これでもか」と云わんばかりに、丹十郎の情けなさを露呈するので、「ここまで辛い思いをして、果たして武士である事にこだわる必要があるのか?」と疑問に思う。情けない綽名をつけられた男達が目覚ましい活躍を見せる『たそがれ清兵衛』という短編集が氏にはあるが、武士達の心の持ちようにおいて、本篇と『たそがれ…』とでは、幾分差があるように見える。丹十郎は、武士である事に誇りを持っているが、その身分に寄り掛かっていない。それどころか、「仕える主の非情と猜疑の前に、禄を食む者は無力である。」と客観的に自分の立場を見据えて、その危うさを知っている。そんな彼が仕官を求める動機は、もはや「立派な武士として生きたいという意欲」にはない。家族を食わせなければならないという、現実に対する責任感。だから、彼が命じられた上意討ちを果たして最初に思った事は、「武士として誇りに思う」ではなく、「明日からは餓えないで済む」だったのだ。

 『恐妻の剣』でも主人公の馬場作十郎は、息子を道場に通わせたいと主張するが、妻の「一刀流など習っても、馬場の家の扶持が一俵でもふえるわけがありませんでしょ」という強硬な反対にあい、断念している。『遠方より来る』で厚かましい押しかけ武士・曾我平九郎を見送った三崎甚平はほっとする反面、「しかし、気楽は気楽だろうな。 喰うためには、何かしなければならないだろうが、それは城に雇われている人間も一緒である。家もなく妻子の類いもないというのは気楽なものかも知れない(後略)」と、浪々の身となった平九郎を羨む。

 武士が武士である事だけで、尊敬される時代は、徐々に消え行こうとしており、幕末を舞台にした氏の『よろずや平四郎活人剣』においては、もはや主人公は堅苦しい武士に嫌気がさしている。そこに至るまでのいびつな過渡期において、どうにか人生をやり過ごそうとした男達の姿を描いた短編集。
他に『石を抱く』『冬の終わりに』『乱心』収録。


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最終更新日  December 23, 2020 12:00:19 AM
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