【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

映画・海外ドラマ・本 ひとこと言いた~い

カレンダー

コメント新着

お気に入りブログ

超絶多忙なので生存… New! 天野北斗さん

ゴーステッド Ghosted New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

台風つづく ちーこ♪3510さん

松河屋老舗☆ fujiうさぎ=^・^=さん

憂きも一時 小烏丸の”てる”さん

プロフィール

hoshiochi

hoshiochi

キーワードサーチ

▼キーワード検索

全て | 料理&お菓子&旅&演劇&その他2 | フランス映画 | 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ) | その他の地域の映画&ドラマ | アメリカ映画 | 韓国映画 | 真田広之 | 韓国ドラマ | アメリカドラマ | その他のジャンルの日本の小説 | 日本のミステリー小説 | イギリスドラマ | よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥 | 漫画・アニメ | 日本ドラマ | 中国&台湾映画 | 日本の作家が書いた歴史小説 | 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル | 東欧・ロシア映画 | イギリス&アイルランド映画 | オランダ映画&オランダドラマ | 北欧映画 | その他のジャンルの海外小説 | 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル | 日本映画 | 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説 | カナダの映画&ドラマ | ドイツ映画&ドイツドラマ | 日本のファンタジー小説 | 海外のミステリー&ファンタジー小説 | 堺雅人 | 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇 | 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ | 山田風太郎 | 香川照之 | 松山ケンイチ | 海外の作家が書いた歴史小説 | ジェイク・ギレンホール | イギリスドラマ:SHERLOCK | 塩野七生 | 吉田鋼太郎 | イタリア映画&イタリアドラマ | ローズマリー・サトクリフ | 大杉蓮 | ベネディクト・カンバーバッチ | インド映画 | 長谷川博己 | 内野聖陽 | 林遣都 | ムロツヨシ | ジョシュ・オコナ― | 井浦新 | 菅田将暉 | ディーン・フジオカ | 台湾ドラマ&中国ドラマ
December 28, 2020
XML
みなさん、こんばんは。小松政夫さんが亡くなりましたね。
滅びゆく世界を生き抜く人々を描いた短編集を紹介します。

鳥の歌いまは絶え
Where Late the Sweet Birds Sang
ケイト・ウィルヘルム
創元SF文庫

 放射能汚染によって生殖能力が極端に低くなった地球上の生物群は、緩やかな滅びへと向かっていた。

 全体は三部構成。
「鳥の歌いまは絶え」は世界各地に資産を持つサムナー一族のデヴィッドが主人公。シェナンドアの谷に暮らすデヴィッドは従妹のシーリアと恋仲だったが、彼女は飢餓に苦しむ南アフリカを救うため旅立ってしまう。失意のデヴィッドは研究所を創り上げ、クローン繁殖の技術によって滅亡を回避しようと試みる一族の事業を手伝う。やがて二人の再会の時が訪れるが…。

 「シェナンドア」
人間に変わりシェナンドアの谷で暮らすクローン達は、物資不足を補うためグループとなって廃墟となった都会へ赴く。メンバーの中でサリーはこれまでとは違う感覚に目覚める。以後の物語は全くサムナー一族とは関連がない。但し次の章の主人公と本章の主人公は関連がある。

「静止点にて」
ただ一人クローンを持たないマークは、クローン社会の中では浮いた存在だった。やがて老朽化した施設を修理することもできず朽ち果ててゆく中で、マークは新世界へと飛び立つ。

 第一部に登場する滅びに向かう要素のてんこもりなことったらない。大国が次々と原爆実験を行い、飢餓が襲い出生率が下がる。そしてコレラが世界を襲い大量の死者が出る。まるで現在を彷彿とさせるような要素も入っており、出エジプト記で苦しめられるエジプト人の如く、禍が束になってやってきた世界である。

 サムナー一族は資産が世界にあまねく分散し、一族だけで大きな施設を作れるくらいとんでもない規模である。選ばれしノアの一族が生き残りの道として選んだのがクローン。現在でも動物実験は行われており、近未来小説としては特に目新しい手段ではない。特異な点はクローンの性格である。本書に登場する“創造物が創造主の意図を裏切る/反乱を起こす”という設定は、神話世界の“人間と神”の関係に重ね合わせられる。

 人間の欠点を全て補う意図を持って作られたはずのクローンもまた行き詰まったり、変わり種が絶対発生しない構造のクローンから変異種が登場してくる。どんな科学的要素を詰め込んだとしても、草創期→最盛期→衰退期の一連の流れからは逃れられない、つまりどんな進化もいずれは衰退に向かう。一方で、予期しなかった所から進化の萌芽が芽生えて予測された未来を変えてゆく。ヒューゴー賞長編小説部門&ローカス賞賞長編部門受賞。


鳥の歌いまは絶え (創元SF文庫) [ ケイト・ウィルヘルム ]​​楽天ブックス






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  December 28, 2020 12:00:19 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のミステリー&ファンタジー小説] カテゴリの最新記事


PR


© Rakuten Group, Inc.