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みなさん、こんばんは。プロ野球への現役復帰に挑んだ新庄剛志さんが復帰を断念すると発表しました。新庄さんは昨年行われたプロ野球の12球団合同トライアウトに参加し、「6日間でオファーが来なかったら野球は終わる」と期限を設定していました。
今日から4日間イーヴリン・ウォー作品を紹介します。

卑しい肉体 (20世紀イギリス小説個性派セレクション)
Vile Bodies
イーヴリン・ウォー
新人物往来社

　両親を知らず、アイデンティティが不確かなアダム・サイムズは、イギリスに帰国すると同時に自伝を没収される。『大転落』同様他者の理不尽によって仕事も報酬もなくしたアダムは、婚約者ニーナとの結婚を許してもらおうと父ブラント大佐を訪ねる。やがて彼はミスタ・チャターボックス、ジンジャーと名前を変えてゆく。

　第二次大戦前夜のイギリスの陽気な若者達(Bright Young People)の生態を一庶民の視点から描く。若者達のキーワードは退屈で、金のある人もない人もパーティ三昧。さして実のある話をするでもなく、退屈を忘れる＆埋めるために時間を費やしているようだ。そしてそんな彼等を年長者は
「わたしが直接知っている若者はさして多くないが、みんな致命的なまでの飢餓感に駆られて必死で芝居を演じているように思える。あちこちで繰り返される離婚劇もそのひとつ。近ごろでは、人は単調な日々をただやり過ごしていくのに耐えられないらしい」
と冷徹に観察している。

　アイデンティティと存在意義を共に失ったアダムがやっとその両方を手に入れたと思った時退屈を紛らわす最高の手段がやってくる。しかしそれは本当にアダムが望んでいることだったのか。

『大転落』『黒いいたずら』でもおなじみのレディ・メトロランド（マーゴット・ベスト＝チェストウィンド）とその息子ピーターパーストマスター登場。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。

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