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カテゴリ:日本の作家が書いた歴史小説
みなさん、こんばんは。
聖火ランナーやボランティアが結構な数辞退していやになっちゃったんですかね。森さんやっと辞任ですよ。 横溝正史時代小説集を紹介します。 変化獅子 横溝正史時代小説コレクション 出版芸術社 2001年山田風太郎コレクションを刊行した出版芸術社が、散逸していた横溝正史の時代小説集を随時刊行する事になり、本書はその第一弾。 表題作「変化獅子」は『読切小説集』1956年10月〜57年4月まで連載された。江戸に向かう船に乗っていた旗本・獅子王寺多門と、女役者・小万が、漂流する筏に乗っていた美少年・幻之丞を見つけ、救出する。全く言葉が話せない彼の正体は? 普段は飄々としているが、実は頭がよく腕も立つ主人公、彼にぞっこんの可愛い娘、彼を慕う気のいい町人らが巨大な権力を持つ悪者達に立ち向かう、痛快無比の長篇小説。 わけありの美少年、忠義の厚い家臣、謎めいた覆面男、権力と結託する悪商人、怪しげな祈祷師、理をわきまえた実力者。歌舞伎の「役柄」の如く、それぞれの登場人物のキャラクターと役割が明確に出ているので、 読んでいて、とてもわかりやすい。「おっとがってんだ」「おっとしょ」など、決まるところに、ぴし、ぴし、と決まる台詞も、小気味よい。 意外な実力者との繋がりを持つ主人公や、芝居の場面が出てくるのは、氏の『お役者文七シリーズ』と共通である。 もう一つの収録作品は、連作『矢柄頓兵衛戦場噺』。 こちらは「講談雑誌」1943年1月〜12月まで1年間にわたって連載された戦場綺譚。「はだか武士道」「阿呆武士道」「縮尻武士道」「めおと武士道」「カチカチ武士道」「捕物武士道」「秘薬武士道」「籠城武士道」「武士道」「相撲武士道」「仲人武士道」に、単行本未収録の最終話「落城秘話」を含む完全版として、今回併録された。 神君徳川家康公に若い頃から仕えてきた老武士・矢柄頓兵衛は、天下泰平を謳歌する寛永の世で77才を迎える。彼は、戦国時代の武士達の魂を伝えるため、月に一度、一族郎党80余名を集めて昔語りをする事にした。ちょん兵衛と呼ばれて周りの武将達から可愛がられた若武者時代から、「秘薬を手に入れろ」だの「密書を届けよ」だの007もどきの活躍話、気に食わない同僚への意趣返し等、バラエティ豊かなエピソードが、今川傘下を離れてから、大坂夏の陣までの、家康絡みの出来事に絡めて語られる。つまり、頓兵衛と、彼の目から見た家康、二人の栄達伝にもなっているわけ。とはいえ、頓兵衛最初めは甚だ頼りなく、女房お多衣の方が、余程しっかりしている。 彼を出し抜いて書類を盗みとるあなたは、実はくの一?だが、さすがに頓兵衛も経験を経て腹芸も覚え、天下の一大事を自らの懐深く収められるようになる。成長したねぇ、と思っていたら…おいおい、最後で喋ってしまっていいのか? 敵方に囚われ、 「命は助けるから、味方に援軍は来ぬと言え。」と言われたのに、「援軍は来るぞ。」と絶叫して殺された、名高い鳥居強右衛門の逸話も登場する。彼の控えとして、その現場に立ちあった頓兵衛が述懐する台詞が、最も印象に残った。 「世の中には、阿呆の大切な場合もある。阿呆でなければ勤まらぬ役目もある。強右衛門のあの真似は、阿呆でなくては出来ぬ。阿呆だけがわかる阿呆武士道だ。」 糊口をしのぐためにやむなく時代小説を書くことになった時に抱いた、氏の先輩作家に対する内心忸怩たる思いが関係しているのかもしれないが、時代小説の持つ自由奔放さを比べれば、山田風太郎氏の小説に譲る。けれど、ひねりがない分、逆に、講談噺や伝奇時代小説に初めて接する人たちにとっては、最適の入門書となると思う。 変化獅子 (横溝正史時代小説コレクション) [ 横溝正史 ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 12, 2021 01:41:10 AM
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