|
全て
| 料理&お菓子&旅&演劇&その他2
| フランス映画
| 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ)
| その他の地域の映画&ドラマ
| アメリカ映画
| 韓国映画
| 真田広之
| 韓国ドラマ
| アメリカドラマ
| その他のジャンルの日本の小説
| 日本のミステリー小説
| イギリスドラマ
| よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥
| 漫画・アニメ
| 日本ドラマ
| 中国&台湾映画
| 日本の作家が書いた歴史小説
| 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル
| 東欧・ロシア映画
| イギリス&アイルランド映画
| オランダ映画&オランダドラマ
| 北欧映画
| その他のジャンルの海外小説
| 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル
| 日本映画
| 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| カナダの映画&ドラマ
| ドイツ映画&ドイツドラマ
| 日本のファンタジー小説
| 海外のミステリー&ファンタジー小説
| 堺雅人
| 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇
| 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ
| 山田風太郎
| 香川照之
| 松山ケンイチ
| 海外の作家が書いた歴史小説
| ジェイク・ギレンホール
| イギリスドラマ:SHERLOCK
| 塩野七生
| 吉田鋼太郎
| イタリア映画&イタリアドラマ
| ローズマリー・サトクリフ
| 大杉蓮
| ベネディクト・カンバーバッチ
| インド映画
| 長谷川博己
| 内野聖陽
| 林遣都
| ムロツヨシ
| ジョシュ・オコナ―
| 井浦新
| 菅田将暉
| ディーン・フジオカ
| 台湾ドラマ&中国ドラマ
カテゴリ:日本の作家が書いた歴史小説
みなさん、こんばんは。聖火リレーが中止になった府県もありますね。みなさんのところはいかがですか?
今日も池波正太郎作品を紹介します。 鬼平犯科帳〈7〉 池波正太郎 文春文庫 泥棒の世界がどういう仕組みなのかは、謎である。 もしかしたら、『元泥棒の告白』という資料があるかもしれないが、 それさえ、盗まれた側の証言と、いちいち突き合わせて見ると、矛盾が出てくる可能性さえある。こういう曖昧部分は、『歴史の空白』として、作家の執筆意欲を大いにそそるらしい。 池波氏の『鬼平犯科帳』にも、多くの泥棒達が登場する。 彼等の一生は、概ね、こんな風だ。 幼い頃、親分に弟子入りする。いくつか、誰かの計画に加わる「すけばたらき」をこなした後に、独立。いわゆる「ひとりばたらき」ができるようになる。「ひとりばたらき」の初仕事は、元親分や、関わりのある人が助けてくれる事もある。独立すると、住居を決め、盗みとは関わりのない、もう一つの仕事をして、泥棒である事を隠す。 盗人として、やってならない事が3つある。 1.盗まれて難儀するものへは手を出さぬこと 2.つとめをするとき、人を殺傷せぬこと 3.女を手ごめにせぬこと メインとする職業が「盗み」でなければ、この過程は、まるで職人や芸の道に生きる人達の徒弟制度だ。第一、「盗め」と書いて、「つとめ」と読ませているし、「本格派の 大盗」なんて形容もある。大がかりな盗みには、二つの盗賊が手を組む事もあるのも、大がかりな建築に複数の親方を配する大工と同じだ。 場所を決めない「流れ盗め」は、流れ板のようだ。 読めば読むほど、職人の世界との共通点が浮かび上がる。 本格派大盗と平蔵の攻防は、お互いを好敵手と認めあう者同志の一騎討ちの雰囲気すら漂う。かつて盗みの世界に身を置いた密偵達は、平蔵と盗賊の各々の立場・物の見方を共有するマージナルな存在。そのため、彼等は、どちらの義理人情にも縛られて、葛藤する複雑な キャラクターとして、しばしば物語の行方を左右する。また、正統派同志の対決ばかりでは物語が単調になるので、盗人三か条を無視するような、徒弟制度外の盗人を登場させる事で、盗人同志の対決というドラマが登場し得る。 世話になった親分のために、義理でやむなく仕事を請け負い、酷い目にあう事もあれば、その遺児の面倒を見る盗賊もいる。手を組むために結婚という手段が用いられる事もある。 こういった血縁に依存しない上下関係や、横の繋がりは、職人だけに限ったことではない。平蔵達武士の世界にも厳然と存在する。池波氏は、単に極悪非道なだけではなく、義理人情に縛られ、親子・男女の情愛を持ち得る人間として、多数の盗賊達を描いている。 同心が盗人を信じて代わりに獄に入る事を受け入れる『走れメロス』の発展版のような「あきれたやつ」という短篇も登場する。盗賊達を、同じ土俵に乗せる事で、池波氏は、実に様々な ドラマを生み出した。 登場する盗賊達の名前も、ユーモラスなもの、格好いいもの、いかにも恐ろし気な者と、こちらもドラマに負けず劣らず粒ぞろい。 料理、捕り方達、密偵。特徴のある文体。余韻を残す文章。 本シリーズの魅力はいろいろあるが、 平蔵達と対決しては、敗れてゆく盗賊達に焦点を当てて 物語を読んでみるのも、なかなか面白い。 送料無料【中古】新装版 鬼平犯科帳 (7) (文春文庫) 池波 正太郎ブックサプライ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
April 29, 2021 12:00:20 AM
コメント(0) | コメントを書く
[日本の作家が書いた歴史小説] カテゴリの最新記事
|
|