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May 27, 2021
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みなさん、こんばんは。イタリアの観光ロープウェイが事故で落下したそうですね。今日もヘンリー・ジェイムズ作品を紹介します。

ヘンリー・ジェイムズ作品集 (1) ある婦人の肖像​
The Portralt of a Lady
ヘンリー・ジェイムズ
国書刊行会

アメリカ生まれの美しい娘イザベルは両親を亡くし、イギリスの親戚で裕福なタチェット家に身を寄せていた。利発なイザベルは周囲の人々に愛され、ウォーバトン卿のような貴族の求婚者や、海を越えてイザベルを追って来るアメリカ時代の恋人である青年実業家キャスパーもいた。だが、夫に従属するだけの古風な結婚を嫌うイザベルは「一生独身でも構わない」と言い放つ。

 イザベルの従兄ラルフ・タチェットもイザベルを愛していたが、結核で自分の余命がわずかであることを悟っていた。イザベルの望みが、進歩的で自立した生き方だと知っているラルフは、自分が受け継ぐべき莫大な財産がイザベルに渡るよう配慮する。だが、そうと知らないイザベルは、ある男性との結婚を決める。

 イザベルにもっとも手酷くフラれるキャスパーだが、まず外見が嫌われていた。
「彼には、得意とする複雑に入り組んだ事柄があった。すなわち、彼は組織し、競争し、管理するのが好きであり、人びとを自分の意思通りに動かし、彼を信頼させ、彼の面前で行進させ、彼の主張の正しさを立証させることができた。これはいわゆる人を動かす才であり、この才能は彼にあっては内省的ではあるが大胆な野心のために生かしうるものであった。彼をよく知っている者たちは、彼が一紡績工場の経営などよりもっと大きなことをするかもしれないと思っていた。」
などという、第三者から見れば、経営者として立派な点はあったのに。


 ならばなぜ貴族のウォーバトン卿はダメかというと、彼の外見は気に入ったらしい。大人の男らしさを備えた彼との結婚を周囲も彼との結婚を勧めるが
「では、完璧すぎるからお断りしたと言えばいいかしら。私は完全な人間ではありませんし、あの方は私にはりっぱすぎるのです。そのうえ、あんまり完璧だとかえっていらいらするんじゃないかと思いますわ」
と突っぱねる。

 ああこの娘ったら何て世間知らず!ほどほどっていう事を知らないから怖い者知らずの事を言うんだよ…という所謂若者を見つめるオトナの思いと、「いや、いくら何でもちょっとタカビーすぎない?何様?」という意地悪な気持ちに身を裂かれながら序盤を読む。あげく、よし、痛い目に遭うのも人生経験だよ、というイジワルな気持ちになってくる。それにしても散々振ったあげくに選ぶ相手がその人?みたいな結婚をした時には、ほらごらん!と言いたくなり、後半のイザベルの不器用さにイライラ。失敗したとわかったらさっさと再出発しろよ!とどつきたくなるのは現代を生きる我々だからだろう。

 散々金に飽かせてヨーロッパを(人を含めて)貪り尽くす話を描いてきたジェームズが晩年に描いたのはこれら全てに対するリベンジ。背負わされたのは賢いつもりでいたアメリカ人女性。

 

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。

ヘンリー・ジェイムズ作品集(1) ある婦人の肖像 [ ヘンリ・ジェームズ ]​​楽天ブックス






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最終更新日  May 27, 2021 12:00:20 AM
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