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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさんこんばんは。カナダの馬術金メダリストが東京五輪出場辞退を表明したそうです。
今日はジェイン・オースティンの作品を紹介します。 分別と多感 Sense and Sensibility ジェイン・オースティン ちくま文庫 ヘンリー・ダッシュウッドは再婚して3人の娘を持つ。先妻の遺産は全て息子ジョンに、また先代の遺産もジョンとジョンの息子ハリーへ残された。病で死ぬにあたってヘンリーはジョンにくれぐれも義理の母と3人の妹を頼むと言い残すが、ジョンの妻ファニーはこれを不服として、財産分与をしないよう巧みにジョンを言いくるめる。ファニーの態度に心を痛めたダッシュウッド夫人は、いとこの勧めるバートン・コテッジへの引っ越しを決意。長女エリナーはファニーの弟エドワードに好意を抱き、エドワードもまた同じだと思えたがファニーが大反対。次女マリアンには、魅力的な若者ジョン・ウィロビーとの出会いが。更にエドワードには別の問題もあって…‼? 性格の異なる二人の恋物語であり、映像化も多い。しかし原作でここまでブランドン大佐がこき下ろされているとは驚いた。いや当初当て馬だったのはよくわかる。しかし彼はまだ35歳。現代感覚で言えば独身でもおかしくない。いやむしろ金持ちだし優しいし頼りがいがあるし、魅力的な結婚相手では? それなのに マリアン 「三十五歳というのは、結婚には無縁な年齢よ」 分別のある姉という設定のはずのエリナーも 「そうね 三十五歳と十七歳の結婚は考えないほうがいいかもしれないわね」 えっ まさかの塩対応!いやいやさすがに分別担当すかさずフォロー。 「でも、二十七歳の独身女性がいたら、大佐の三十五歳という年齢は結婚の障害にならないと思うわ」 そこへマリアンのとどめの一撃。 「二十七歳の女性は、もう愛したり愛されたりすることは望めないと思うわ。でも、親の家にいるのが居心地が悪くて財産もなかったら、妻としての生活の保証と安定のために、看護役を引き受けるかもしれないわね。だから、三十五歳の男性が二十七歳の女性と結婚するのはいっこうに構わないわ。生活のための契約みたいなものだから世間も納得するわ。でも私から見たら、そんなのは結婚でも何でもない。お互いに相手を犠牲にして利益を得ようとする商取引みたいなものね」 ふーん、若いっていいねぇ。怖いものなしで。ふーん。 分別よりも多感派のダッシュウッド夫人も「ブランドン大佐?だめよあんなの」と鼻も引っ掛けない。断然ウィロビー推しで 「ウィロビーさんはやましいことをするような人じゃありませんよ。私たちは彼と知り合ってまだ日が浅いけど、彼はこの辺では知られた顔だし、彼のことを悪く言う人なんていませんよ」 とか言ってたくせに 「年齢が離れているといっても、かえって利点になる程度の差だし、あの年齢だからこそ、人柄も道徳心もあんなにしっかりしているのよ。それに、大佐の性格はマリアンを幸せにするのにぴったりだと、私は確信しているわ。容姿も態度もまったく申し分ないわ。けっしてひいき目じゃありませんよ。たしかにウィロビーほど美男子ではないけど、大佐の顔立ちのほうがずっと感じがいいわ。おまえは覚えているかしら。ウィロビーの目つきには、ときどきいやな感じがちらついていたでしょ?」 褒めまくったウィロビーを落としたあげく、ブランドン大佐の株を絶賛爆上げ中。 「大佐の態度はウィロビーよりずっと感じがいいわ。私だけでなくマリアンの目から見ても、ぜったい魅力的なタイプだと思うわ。あのやさしさや、他人にたいする自然な心づかいや、気取りのない男らしい素朴な態度は、マリアンのほんとうの性格にぴったりよ。ウィロビーの快活な態度はわざとらしくて、場違いな感じがして、マリアンの性格とぜんぜん合わないわ。たとえウィロビーがほんとに心のやさしい人間だったとしても―じつは正反対の人間だったけどーマリアンはウィロビーと結婚してもぜったいに幸せにはなれませんよ。でもブランドン大佐とならぜったいに幸せになれるわ」 見事な掌返し!ああ、面の皮の厚い大人にはどうしたって敵わない。いいじゃないの幸せならば。 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 【中古】 分別と多感 ちくま文庫/ジェインオースティン【著】,中野康司【訳】 【中古】afbブックオフオンライン楽天市場店 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 7, 2021 12:00:20 AM
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