映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。横浜市で事前合宿してたボツワナ選手団のサポートスタッフが感染したりスタッフが薬で逮捕されたりやられたい放題ですね日本。

今日から2日間三谷幸喜作品を紹介します。


笑の大学
University of Laughs

出演
役所　広司　稲垣　吾郎　小松　政夫

監督
星　護

原作＆脚本
三谷　幸喜

音楽
本間勇輔

　昭和15年、戦争が近づくなか、娯楽への規制がはじまり、警視庁の検閲官・向坂は、浅草の劇団“笑の大学”の舞台を不謹慎だとして上演禁止にしようと、劇団の作家・椿を呼び出す。何とか上演許可をもらいたい椿は、向坂の指摘に対して次々にアイデアを出し、何度も書き直していくが。

　笑いたい時に笑い、泣きたい時に笑う。それが人間の自然な感情だ。しかし戦争は“非常時”なので自然な感情をおさえつけなければならない。そうしないと戦争には勝てない。始まった時は余裕綽綽だった戦争が、やがて予想とは異なる方向に向かってゆく。そうなると影響を受けるのは国民の生活だ。椿が検閲のために何度となく往復する街並みにおいても、映画のポスターの内容が戦争ものに変わっていったり、最初はノーマークだったジャンルの映画が警官から「けしからん」と注意されたりする。戦争に勝って国民が豊かになって、幸せしか先に待っていないはずなのに、あるはずのない幸せに向かって国民に我慢を強いる。しかし、一度我慢した感情は、待期期間が続けば続くほど枯渇してゆく。そして、自分が我慢しているだけに、そうでない人達を敵視する。そういった状況は、コロナ下で娯楽に向けられる現代の視線とよく似ている。もちろん「他人に迷惑をかけない」という日本人独特の美徳は村長すべきだが、どんな状況下においても、我慢と人間の自然な感情とは相反しない。国家権力ですら、個人の感情を抑えつけることは絶対に出来ない。なぜなら、おさえても、おさえても、溢れてくるものが人間の感情だから。そして喜劇はそうした人間の感情を解放してくれるかけがえのないものである。たとえ、どんな時代にあっても。

コロナ禍においてこの映画を放送した事に意味がある、と考える事こそ、本当は無意味なのかもしれない。喜劇はただ、楽しめればよいのであり、それ以上のことを作り手は望んでいない。

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