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July 27, 2021
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みなさん、こんばんは。オードリー・タンさんは来日を中止しましたね。今日も火坂雅志さんの小説を紹介します。

家康と権之丞​
火坂 雅志
文藝春秋

 大阪冬の陣で外堀を埋めた家康にならってか、今まで側近の目から家康を描いてきた筆者が、初めて一方の主人公に据えた。一方の主人公は、彼の息子、小笠原権之丞。筆者は、徳川幕府を震撼させた“海の将軍”として、知る人ぞ知る存在だった彼の事を、ずっと書きたかったそうだ。江戸初期のキリシタン事情、造船技術、そして、海戦から見た冬の陣、
夏の陣という、今まで知らなかった情報が多く載っていた。

 生まれた時と、それから少し経った頃の、父親から受けた仕打ちについて、
彼、小笠原権之丞と宮城谷昌光作品の「隼の城」の主人公、無恤との間に、それほど違いはなかった。父は彼等の顔も見に来ようともせず、その後も忘れたように放ったらかし。
いずれの父も、一国の主人であり、忙しかったが、来ない理由はそれではない。
当然、鬱屈が息子の中にたまってゆく。しかし、長じて無恤は、父の跡を継ぎ国を守り、かたや権之丞は、大阪の合戦で父に弓引く身となっていた。どこで歯車が狂ったのか。

 本作を読むと、その理由は、まさに運命の為せる技としかいいようがない。
間の悪い時に、間の悪い出来事が重なって、更に間に入る人の思惑なんぞも
絡まって、ろくに言葉を交わした事もない二人の仲は、どんどんこじれていってしまうのだから。けれど、権之丞の行動が全て、父、家康に対する反抗から生じていたわけではない。
そもそも、腹いせや、嫌がらせで一生を送らんとする主人公なら、最後まで読み通すだけの魅力にならない。キリシタンとなった理由こそ、不純な動機と言えなくもないが、権之丞自身は、極めてさっぱりした男も女も惚れる良い男である。うじうじ悩むのが一番似合わないタイプだ。自分の船に、「はてなし丸」と名付けるあたり、なんともはや、ロマンティック。
彼の構想が成功していれば、士農工商でがちがちに縛られない。
東洋のヴェネツィアが江戸時代に誕生していたかもしれない。そう思うと、わくわくしてくる。彼こそが、家康の好む鷹のごとく、自由に羽ばたける人であった。

 しかし、家康自身は、鷹が好きでも、鷹の全てを認めているわけではない。
自分に都合のいい所だけ、動いてくれて、用が済んだら、ぷいと横を向く。
自分勝手に行かないように、必ず戻ってくるよう仕込む。
おそらくは、これを息子にも当てはめたのではないか。
飛び立とうとする鷹に網をかけるから、家康は、手を引っ掻かれたのだ。
やあい、いい気味。
権之丞の代わりに、せめてもの、憎まれ口を言ってみたくなるがさっぱりした男の名を汚すのは嫌なので、やめておこう。



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最終更新日  July 27, 2021 12:00:19 AM
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