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August 19, 2021
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みなさん、こんばんは。アフガニスタン反政府武装勢力タリバンがあっという間に勝利宣言を出し、大統領は出国してしまいましたね。これまでのアフガン支援が水泡に帰すのでしょうか。今日はイタリアの小説を紹介します。

ミシンの見る夢
Il sogno della macchina da cucire
ビアンカ・ピッツォルノ
河出書房新社

表紙はミシンを使う女性の絵だ。十九世紀末、イタリアで流行病により両親を失った主人公は、ミシンを使い洋裁を仕事にする祖母に育てられる。作者は敢えて主人公に名前を与えない。彼女のような女性は、当時のイタリアにいくらでもおり、境遇に自分を重ね合わせれば、名前などなくとも共感を呼べたからだ。

 彼女の右手はミシンのハンドルを握っている。物語の中でもミシンの変遷が描かれる。最初は表紙のような手回しミシン。最後には電動ミシンも登場するが、主人公の好みではないようだ。本作は主人公の周囲の人物とミシンに纏わるエピソードを横糸に、彼女の人生を縦糸に構成されている。

 パリから最新流行の服を取り寄せているという噂の弁護士一家、シングルで逞しく異国で生きるアメリカの女性ジャーナリスト、主人公と強い絆で結ばれる富裕な家の令嬢からやがて実業家になってゆくエステル、等々。エピソードは、いずれも一つの短編として書けるくらいの濃い内容だ。工夫を重ねてお洒落をする女性達が描かれる一方で、男性陣はやや情けないキャラクターが多い。主人公ととりわけ深い絆を結ぶのは、身分を気にせず手を差し伸べてくれるエステルと、仕事仲間の娘でやがて主人公が引き取ることになる少女だ。身分違いの相手と恋に落ちて相手の一族から嫌がらせを受けた時も、エステルが常に主人公を支え続ける。お互いに辛い時を支え合い、無条件に信じあえる間柄は素晴らしい。

 そういえば日本にミシンがやってきたのは江戸時代。持ち込んだのはジョン・万次郎らしい(びっくり)。物語の中には、彼女たちの話の中で「イサドラ・ダンカンにダンスを習う」などという言葉が登場する。イサドラ・ダンカンはミシンの老舗シンガー・ミシン創業者の二代目パリス・シンガーと一緒に暮らし、娘を儲けている。そのシンガー社すらも1901年―二十世紀初頭に会社を興している。それから百年経ち、最近は電動ミシンが一般的だ。子供の頃はまだ手回しミシンが一般的で、途中から電動ミシンになった頃は、足の加減がわからず戸惑ったものだ。模様までもガイドしてくれるコンピュータミシンは、手作り感には程遠い。次の世紀には、おそらくミシンに纏わるこのような作品は生まれないだろう。


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最終更新日  August 11, 2022 10:44:13 PM
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