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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさんこんばんは。日本シリーズはヤクルトが優勝しましたね。
さて今日は架空の都市を舞台に実際にインドで起こったセポイの反乱を描いた小説を紹介します。 セポイの反乱 The Siege of Krishnapur ジェイムズ・G・ファレル 新潮社 「民族にせよ、国家にせよ、自分たちの考えだした最高の概念によって生みだされていくのではない。それは、自分たちがはかり知ることさえできぬほかの外的な力によって形成されていくのだ」 丘をのぼりつめると、遠くに町のようなものが見えて、白い屋根、白い壁の寺院らしきものがある。来た方を眺めると平原ばかりだが、ぽつぽつと人影のようなものも見える。 物語は、舞台となるクリシュナプールの描写から始まる。いかにも本当にある場所のようだが、架空の都市でモデルはラックノウだ。1857年、その架空の都市で奇妙な出来事が起こる。チャパティス(チャパティ)が複数の都市で何者かに配られる。実害はないが不穏なものを感じた収税官は訴えるが、長官は一笑に付す。 一方、クリシュナプールに東インド会社の理事を父に持つ姉ミリアムと弟ジョージ・フラーリがやってくる。数少ない男性として当地の娘達から熱視線を送られるジョージだが、意中の相手ルイーズ・ダンスティプルには見向きもされない。折から、将校に傷物にされたと嘆き駅から出ていこうとしないルーシー・ヒューズをルイーズの兄ハリーとジョージが説得に来る。 遠景に戦争、近景に登場人物達の人間模様という構図でトルストイの『戦争と平和』をイメージしていたが裏切られた。反乱を起こすセポイ側の視点は一切なく、攻撃をしのぐ側のみのドラマが描かれる。 ジョージ 「今世紀におきまして、何らかの進歩があったとするならば、それは、物質的な面でというよりはむしろ精神的な問題においてではなかったでしょうか。」 収税官 「精神的なものと、物質的なものどちらが重要かなど区別してもはじまらんのではないですかな。前者があってこそ、後者に目的というものを与えるし、また逆に、後者が存在するから、前者に不可欠な道具が与えられるわけだ!」 収税官とジョージは物質至上主義と精神至上主義で当初対立していたが、内乱鎮圧後、二人は考え方を全く逆にする。同じ出来事を体験していながら同じ考えにまとまらないのが面白い。また、圧倒的不利な立場に置かれた市民側に牧師がおり、ジョージの無神論的な発言にかなり過剰な反応を示し「自然界の脅威を全て神の御業によるものだ」と次々と証拠を上げ力説する場面も滑稽だ。神の御業を信じるならば、“正しい側が勝つ”とどんと肝を据えていればよいのに、最も宗教に頼るべき人間が信じていない証拠になる。更に、セポイが攻めてくるというので大勢の避難民が収税官の屋敷に保護を求めてやって来る。しかし全員を受け入れられない。よって窮余の策として「インド系キリスト教徒にはイギリス政府に忠実であった」という保証書を渡して追い払う。都合のいい時は教徒を増やすことに熱心でいながら、いざという時に人種で線を引く。また西欧人の子供たちには、外で待っているインド人たちにお菓子を渡すよう牧師が説くが、インド人たちは子供たちが去るとお菓子を捨ててしまう。西欧人たちが“自分たちが善政を敷いてきたのになぜ土民が反乱を起こすのかわからない”と話す場面があるが、あくまで一方的な見方に過ぎず。両者の見解が著しく乖離していることが、お菓子一つのやり取りを持っても示される。 ジョージの理想の女性像 「女の役割は、聞き役にまわることだ。男の言う言葉をじっと聞いてくれて、話に花が咲くムードをふんわりとかもしだすことだ。」 など、#MeToo時代にはむむむ?と思われる女性観が散見される。 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 29, 2021 12:00:19 AM
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