映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。全米批評家協会賞「ドライブ・マイ・カー」が作品賞に輝き、西島秀俊の主演男優賞はアジア人初だそうです。快挙ですね。
今日はゴスペルにまつわる映画を紹介します。

ゴスペル
THE GOSPEL

出演
イドリス・エルバ

　Ｒ＆Ｂ歌手として成功を収めたデビッド。そんな彼のもとに、ある日、父親が倒れたという連絡が入る。彼は昔、父と同じ聖職者の道を歩もうとしていたが、母の死に立ち会わなかった父を許せず、それ以来ずっと疎遠になっていた。こうして久しぶりに帰郷したデビッドは父と久しぶりに再会。そして父がガンに冒されていると知り、代わって教会の再建に乗り出そうとする。しかし父親は既に後継ぎを地元に暮らすデビッドの幼馴染みの親友チャールズに託していた。さまざまな思いに苦悩しながらも、デビッドはやがてゴスペルの中に自分の人生のルーツや希望、救いを見出していくが…。

　神への恩寵＆愛を謳うゴスペルを尊ぶ聖職者からすれば、酒＆ドラッグ＆女に溺れるが巨万の富を稼ぐ息子は放蕩息子。というわけで大枠は『放蕩息子の帰還』。但しせっかく対立軸として出てきたチャールズとその妻シャーリーンのサイドストーリーがお粗末。夫婦仲がうまくいっているとはいえないシャーリーンがなぜデビッドを追い落とそうとしたのか。チャールズも権力を手に入れようとするいわゆる“正しくない聖職者”であるのになぜ妻を責める資格があるのか。そもそもデビッドはなぜ故郷に戻ってきたのか。つまりはドラマとして最も大切な主人公の葛藤シーンがない。ライブシーンに尺を取ったためにドラマ部分が疎かになってしまい。それぞれの行動が突出して見えた。まあゴスペル界」の大御所に出演してもらうのだから売りのゴスペルを出さないわけにはいかなかったのだろうが、そのために映画の肝であるドラマが薄っぺらになった。せっかくデビッドの対立軸に名優イドリス・エルバを配しておりいくらでもドラマ部分を掘り下げられたのに残念。

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