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カテゴリ:日本の作家が書いた歴史小説
みなさん、こんばんは。元乃木坂46メンバーで俳優の若月佑美さんと、俳優の玉置玲央さんがそれぞれSNSで結婚したことを発表しました。今年の直木賞受賞作品を紹介します。
塞王の楯 今村翔吾 集英社 楚人に楯と矛とをひさぐ者有り。これを誉めて曰いはく「わが楯の堅きこと、よくとほすもの無きなり」と。また、その矛を誉めて曰く「わが矛の利きこと、物においてとほさざるなし」と。ある人曰く「子の矛をもって、子の楯をとほさばいかん」と。その人こたふることあたはざるなり。 よく知られた漢文である。「何でも突き通す矛」と「どんな攻撃も防ぐ盾」の2つがあるのはおかしい。「何でも突き通す矛」が本当ならば「どんな攻撃も防ぐ盾」はウソになるし、その逆の場合は矛のほうがウソになるからだ。そして戦いは「どんな攻撃も防ぐ盾=石垣」と「何でも突き通す矛=鉄砲」の戦いだった。 江戸時代以前、未だ身分制度が確定しない頃、その村の名前を言えば特産物がわかる場所があった。苗字にもなっている国友村だ。戦国時代から江戸時代末期まで、堺、根来と並び称される鉄砲の生産地として栄えた。鉄砲が戦国時代の戦の流れを変えたのは、長篠の戦いでよく知られている。雑兵が武将を倒すことができるので、一騎打ちは流行らなくなった。また、城にも鉄砲、大砲が仕掛けられるようになり、石垣の構造を工夫することが求められた。こちらで有名なのが穴太衆だ。定住地を持つ国友衆に対して、求められれば敵対する双方の城に出向き、城郭などの石垣施工を行った流れ者集団だ。 鉄砲衆、穴太衆は技術を磨いたが、技術の成果を試すにもより上を目指すにも、相対する相手が必要だった。穴太衆の塞王に薫陶を受けた本編の主人公匡介は、数々の戦場で、鉄砲衆の彦九郎と相対する。 クライマックスは関ケ原の戦の前哨戦、大津城の攻防だ。城主は京極高次、淀君の妹、初の夫だ。姉は絶世の美女竜子で、太閤秀吉のお気に入りだ。閨閥頼りで生き永らえたとして、高次はドラマや小説でも凡将扱いされる事が多い。しかし本編では、戦国には珍しく、気さくで慈愛深く、頼りないからこそ皆が支えようとする君主として登場する。このキャラクター設定は斬新だ。 関ケ原の戦では、上杉征伐に向かった家康から大津城の堅守を頼まれ、石田三成から西軍へ属することを求められる。大津城の守りが弱いことから一旦は西軍へ属することを決め、大坂へ嫡子の熊麿(京極忠高)を人質として送ったが、関ヶ原への出陣に備えつつ、西軍の動向を東軍に伝える。石田三成ら西軍諸将は高次と豊臣一門との関係から西軍に加わるものと思い込んで高次が籠城を始めるまで東軍についていた事実に気づいていなかったが、高次が籠城を決めたことから、猛将で知られる立花宗茂を差し向ける。大津城攻防は、蛍大名高次と無双宗茂という対照的な武将の戦いであり、最強の楯=石垣を目指す匡介と最強の矛=鉄砲を目指す彦九郎の戦いだった。 より優れたものが現れれば、それが抑止力となって戦が終わると、技術者たちは信じていた。その時彼らが不要になるとは思いもよらずに。実際、徳川の時代になって、一国一城令ができてからは新しくお城を建てることもなくなり、穴太衆はメンテナンスくらいしか仕事がなくなる。ほとんどの家は職を変えるしかなかった。一方の国友衆も銃を用いる大戦がなくなり、発明に道を切り開く末裔も現れる。泰平の平和のためには、最強の武器が必要で、しかしいざ平和が来ると、最強の武器は無用の長物、抑止力としてだけの存在になるパラドックス。 塞王の楯 [ 今村 翔吾 ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 22, 2022 12:00:18 AM
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