映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。
世界気象機関（WMO）はロシア極東サハ共和国のベルホヤンスクで昨年6月20日に観測された38度を、北極圏の観測史上最高気温と正式に認定しました。ちょっと信じられない温度ですね。

今日はひょんなことから戦争屋になった二人組の映画を紹介します。
ウォー・ドッグス
WAR DOGS

出演
ジョナ・ヒル　マイルズ・テラー　ブラッドリー・クーパー　ケビン・ポラック

監督＆脚本
トッド・フィリップス

　　映画はデビッドのモノローグで始まる。
「What do you know about war? They'll tell you it's about patriotism, democracy... or some shit about the other guy hating our freedom. But you wanna know what it's really about? What do you see? A kid from Arkansas doing his patriotic duty to defend his country? I see a helmet, fire-retardant gloves, body armor and an M16. I see $17, 500. That's what it costs to outfit one American soldier. Over two million soldiers fought in Iraq and Afghanistan. It cost the American taxpayer $4.5 billion each year just to pay the air conditioning bills for those wars. And that's what war is really about. War is an economy. Anybody who tells you otherwise is either in on it or stupid. 戦争について何を知ってる？愛国心とか民主主義とか、俺たちの自由を憎んでいる相手のこととか、そういうことを言うだろう。でも、本当は何なのか知りたい？何が見える？祖国を守るために愛国的な義務を果たすアーカンソー州の子供?ヘルメット、防火手袋、防弾チョッキ、M16 が見える。 17,500 ドルだと思う。これは、アメリカ兵 1 人の装備の費用だ。 200 万人以上の兵士がイラクとアフガニスタンで戦った。アメリカの納税者は、戦争の空調費を支払うだけで、毎年 45 億ドルだ。それこそが戦争の本質だ。戦争は経済。そうでないなんて言う奴は誰でもバカだ。」

　時給75ドルのマッサージ師のデビッドは、一念発起で高級シーツを老人ホームに売る商売をするがなかなかうまくいかない。そんな時親友の葬儀で、幼なじみのエフレムと再会する。以前と同じように意気投合するが、恋人の妊娠で経済的にデビッドが追い詰められたところをエフレムが事業パートナーとして打診する。 事業内容は国防総省の少額入札、ある日イラク警察の制式拳銃としてベレッタ社のモデル92を入札するが、生産国のイタリア政府はイラクへの武器輸出を規制してるので隣国ヨルダン経由で納品しようとする。 初の大型案件で取引不成立だと今後国防総省との取引ができなくなるので、是が非でも納品の為に陸路で800kmを走破することになる。イラク戦争の真っただ中、2人は、知名度の低い公募入札を利用して、零細企業でありながら米軍相手に契約を取り付けることに成功する。細々とした稼ぎに始まり、やがて大金が舞い込んでくると、2人は豪遊するなど人生ウハウハ。ところが、アフガニスタン軍に武器を調達する総額3億ドルの取引をものにしたあたりから、何だか雲行きが怪しくなる。彼らの周囲には見るからにうさん臭い連中が現れ始め、どうやらそこにはアメリカ政府の影も。

　いやぁ、これ実話らしい。“戦争の犬”なんていうと傭兵を想像するが、彼らは兵士に武器を売る武器商人。海千山千で軍やゲリラと渡り合うのだから相当な貫禄の持ち主かと思いきや、学校を出て間もないとっぽいお兄ちゃん。デビッドに至ってはそれまでマッサージか老人に高級シーツを売る仕事しかやったことない。そんな彼らが切羽詰まって自分で武器を調達して、テロリストが追いかけてくる中を護衛もなしに爆走した時から、多分何かが吹っ切れた。怖いものがなくなってしまった。

　とはいえ彼らはまだ戦争の犬としてはひよっこ。利ざやを稼ごうという彼らの目論見なんぞ、それこそ海千山千には見透かされ、あっという間に転落へ。彼らの前に現れる本当の大人の戦争の犬として、トッド・フィリップス監督の『ハングオーバー』シリーズ主演のブラッドリー・クーパー。まあ、顔つきからして全然違うし、最後まである人物の行方を聞かれても絶対にはぐらかしてところなど（別に重要人物ではないが）人一人消えることなど日常茶飯の世界で生きていることを思わせる。

　釈放後デビッドは会社を興したそうだがどちらかというとリーダー格だった調子のいいエフレムのその後はわからないそうだ。

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