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February 7, 2022
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みなさん、こんばんは。北京オリンピックのスキーフリースタイル男子モーグルで、堀島行真選手が銅メダルを獲得しましたね。今大会、日本にとって、最初のメダル獲得です。今日もマーガレット・アトウッドの小説を紹介します。

誓願
The Testaments
マーガレット・アトウッド
早川書房
鴻巣友季子訳

 ファーストネームが同じということで、『風と共に去りぬ』の続編を切望されながらも書かなかったマーガレット・ミッチェルが例に挙がっている。こちらは以前出版されていたが、米国のトランプ政権発足とドラマ化により再注目された『侍女の物語』の続編である。完結編といってもいいだろう。『侍女の物語』は名前も子供も自由も奪われたオブフレッドという侍女が、そこから抜け出す術を見つけ出すまでを彼女の語りで綴っていた。

 今度の語り手は3人である。意図的に時系列がずらされており、いずれも“ある事”が終わった時点で書かれているので内容は全て過去だ。語り手が複数いる章は最初のページにそれとわかるマークが書かれている。

 一人目は『侍女の物語』でオブフレッドの教育係として登場する小母リディア。脇役から堂々主役の一人への昇格だ。彼女の語りは【アルドゥア・ホール手稿】というタイトル。数々の家庭のトラブルに遭遇してきた彼女は、男性が支配するこの国家で、いつしか司令官すら手玉に取る存在になっていた。

 二人目は司令官の娘アグネス。彼女の語りは【証人の供述369Aの書き起こし】というタイトル。彼女の恵まれた環境は、母タビサの死によって一変する。父は若い後妻を貰い、その後妻に子供を産む能力がなかった事から侍女が家にやってくる。子供は生まれるが侍女は死に、アグネスは年の離れた男性との結婚を強いられる。

 三人目はカナダに住む古書店の娘デイジー。彼女の語りは【証人の供述369Bの書き起こし】というタイトル。ギレアデ共和国の事は別の国の話だったが、彼女も両親が爆殺された事で、本当の親ではなかった事を知る。

 地殻変動、経済の悪化による社会不安により民衆の不満が募り、キリスト教原理主義の超保守勢力によるクーデターで政権が転覆したというギレアデ共和国成立の経緯も明かされる。これと全くイコールではないが、軍の撤退と共にあっという間にイスラム主義組織タリバン政権が掌握したアフガニスタンを想起させる。奇しくもタリバン政権も女性の権利を剥奪し、政教不分離の歪な政体である。

 歪な国家の実態を外に向かって告発することで崩壊を迎える物語はSNSが大きな影響を与えたアラブの春を想起させた。

 2019年ブッカー賞受賞作。


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最終更新日  February 7, 2022 12:00:21 AM
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