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March 12, 2022
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みなさん、こんばんは。投開票が行われた韓国の大統領選挙で、保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検事総長が当選を確実にしたと、韓国メディアが報じました。5年ぶりに保守政権が誕生する見通しです。
今日はイコン作家の生涯を描いた作品を紹介します。

白光
朝井まかて
文芸春秋

 貧しくて弟まで養子に出されるような武士の家で、絵師になりたくて「明治の世にて、私も開化いたしたく候」と故郷を飛び出すその行動が、まず当時の普通の女性の発想ではない。女性活躍担当大臣とやらがいる現代ではなく、政府が積極的に後押ししてくれる確約は取れない。後に戦争も始まれば、やはり女性は産む性としての役割を求められる。ところが彼女は、不思議に運が味方する。連れ戻されて家出はあっさり失敗するが、絵の師に出会い、日本最初の美術教育機関である工部美術学校にも入学を果たす。西欧文化の移植としてお雇い外国人が起用されたが、全てイタリア人であったため、りんがルネサンス美術に惹かれるきっかけとなっている。

 人生を切り開いていくには運だけではなく才能も必要だ。決して協力的ではない周囲の圧力を跳ね返していく強い意思もまた。そして偶々、りんはいずれも持っていた。

 しかし、その強い意思すら挫けそうになる試練がやってくる。教会の縁で行われたロシア留学だ。往路の描写がかなり酷い。船室はなく食事は残飯。りんへの扱いが宗教関係者とも思えない。また、前述のようにルネサンスのような絵を描きたいと思っていたりんに対して「日本の教会で活躍する聖像画家を育てたい」とするニコラス大主教の意を受けた修道女たちの指導は全く合わない。コミュニケーションが十分に取れないので、お互いの言いたいことを満足に伝えられず、お互いにストレスが溜まる。「イコンはおばけ絵」「イタリヤ画が画きたい」などの発言が残された日記をベースに書き起こされたロシア滞在記は、修行というより苦行である。強気の彼女も、さすがに体を壊して五年滞在のところを丸二年滞在して帰国するはめになる。帰国途中パリに立ち寄る場面があるが、ルーブル美術館に寄っていたら、後の彼女の人生はまた変わっていたかもしれない。本編は紆余曲折の末、りんが聖像画家として明治・大正を生き抜いた様を、周囲の人々の人生を絡めながら描く。後半には日露戦争が登場するので、ロシアと関係するニコライ堂も迫害を受ける。

 どんな人だったのだろうとネットで資料を探してみると特に気が強い女性との印象を受けない。普通の田舎の子みたいだ。こんな幼い顔した女性が、ろくに異国の言葉もしゃべれないまま、異国で自分の主張を通すのはどれだけ大変だったろうか。


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最終更新日  March 12, 2022 12:00:20 AM
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