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August 10, 2022
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みなさん、こんばんは。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元理事がAOKI側から金銭を受け取ったとされる事件で、約1億円を自分が経営するステーキ店の借入金返済に充てていたことが分かりました。
今日から2日間パッシングについて書かれた小説を紹介します。

パッシング/流砂にのまれて​
Passing/Quick Sand
ネラ・ラーセン
みすず書房

 「パッシング」とは、肌の色の白い黒人が自らを白人と称して行動する実践である。1920年代、国勢調査で混血という表記がなくなったため、いずれかを選ばなければならなかった“肌の色の白い黒人”のうち、四通りのパッシングを行った者がいる。本作の中でも様々なパッシングを行う女性が登場する。アイリーンは黒人男性ブライアンと結婚し黒人社会で堅実な家庭を築く。今回のように暑くてたまらない時、白人専用のホテルのロビーに入るなど、必要に応じてパッシングを行う。ガートルードは白人男性フレッドと結婚し、彼の家族は皆ガートルードが黒人である事を知っているが、白人社会では素性を隠している。クレアは黒人であることを完全に隠して白人男性ジョンと結婚生活を送っていた。クレアがアイリーンと出会ったのは、アイリーンがパッシングしてホテルにいた時だった。

 クレアの父が死んで以来親戚に引き取られていたが、ホテルで白人といるのを見て、黒人社会のかつての友人は、彼女が「仕事をしているのだ」と思い込む。その事でアイリーンをはじめ黒人たちはクレアと距離を取ってきたが、アイリーンとの再会以来クレアが子ども時代に暮らしていた黒人コミュニティに惹かれた時、事件が起きる。 

 クレアが白人だと知らないジョンの、ガートルードやアイリーンを前にした発言や、ガートルードが子供を持ちたがらない理由によって、黒人が差別に敏感である一方で、無意識に権力を有している白人が差別に対していかに無自覚であるかが描かれる。またパッシング自体自身の人種と決別することであるのに対して、パッシングを成功させるためには、自分の出自を知る黒人の協力が必要であるというジレンマを抱える。同胞どうし助け合うのは奴隷制社会の頃からの黒人の伝統ともいえるが、アイリーンの行動にはその伝統をはみ出す要素も見受けられる。また、パッシングして得た黒人の成功は、しょせん白人として見られる事によってしか成立しない。その事により、黒人女性としての成功が存在しないアメリカ社会が浮かび上がってくる。

 作者の自伝的要素が色濃いデビュー作『流砂にのまれて』は、デンマーク人の白人の母、西インド諸島生まれの黒人の父をもつヘルガの遍歴を描く。「人種」の枠にも伝統的価値観にも宗教にも収まらない彼女は、カラーラインのみならず、いくつものラインの越境者であったが、ひとところに落ち着けない。どこもしっくりとできないまま、黒人牧師と結婚し、行動を起こそうとした矢先に妊娠して黒人社会に留まらざるを得ないというやや消極的な人生の選択をする。

 1920年代ニューヨークでは、アフリカ系アメリカ人による初の文化運動「ハーレム・ルネサンス」が花開いた。彼らは黒人独自の文化アイデンティティを追求し、ジャズ音楽や文学活動、ダンス・パーティや集会で街は活気づいた。本書はこの期の最高傑作とされる小説二編を収める。三作目で剽窃疑惑が起こり、本作に収められている二編も影響を受けて、あまり日の目を見なかった。


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最終更新日  August 10, 2022 12:00:32 AM
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