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September 6, 2022
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みなさんこんばんは。東京オリンピック・パラリンピックを巡る汚職事件で、受託収賄の疑いで逮捕された組織委員会の元理事・高橋治之容疑者が、出版大手「KADOKAWA」がスポンサーに選ばれるよう組織委員会側に働きかけた疑いがあることが関係者への取材でわかりました。
たったひと月の恋を描いた作品を紹介します。

ひと月の夏
A month in the country
J・L・カー
訳小野寺 健
白水社

第一次大戦のフランス戦線で過酷な経験をした英国の青年トム・バーキンが、イングランドの北部・ヨークシャーの村の小さな教会にある、中世の壁画の修復(復元)の仕事にやってくる。戦地から戻ったトムはシェルショックのせいで頬が痙攣したり、夜はうなされたりと、戦争の後遺症に悩まされている。無愛想で事務的で「石油ストーブを貸して欲しい」というトムの願いをあいまいにしておくキーチ牧師の妻アリスとトムは親しくなる。

 数少ない脇役のキャラクターが皆立っている。ヒロイン枠として美人で優しく思わせぶりな態度を取るアリス。恥ずかしがり屋なのか、古い考えに捉われて一歩を踏み出せないのか。男性を翻弄しているのとは違いそうだ。

 教会の敷地では、トムのほかにムーンという、戦争後遺症を持つ青年考古学者がいる。トムと同じスポンサーの依頼で、先祖の墓の発掘作業に従事するが、実は墓の位置を知っている。アングロサクソン時代の教会の遺跡であることを見抜き、その調査発掘に基づく論文を書いて学会に打って出ようと考えているちゃっかりした男だ。しかし後半彼のある秘密が明らかになっていく。

 トムはこの村の駅長でメソジストのエラベック一家と親しくなり、しょっちゅう食事に招かれたり、メソジスト派の礼拝堂での説教を頼まれて、賢い娘のキャシーからは「この村で暮らしては?」と期待される。教会関係者でもないのに説教を無茶ぶりして、しかもそれをちゃんと聞いてくれるなんて、いかにも田舎の純朴な村人というイメージが伝わる。トムが「この村にずっといたら」などと考えてしまう第一の要因となるのがエラベック一家だ。妻ヴィニーに逃げられて実質家庭崩壊になっているトムにとっては、理想の家族の姿でもある。それでもやはり一か月という期限は動かせない。

 もうすぐ帰ることがわかっていたある日、アリスは窓辺に並んだバーキンに胸を寄せるような仕草をする。
「ぼくは彼女の肩に腕をまわして、こっちに顔を向けさせ、キスすべきだったのだ。そのための日だったのだ。彼女は、そのためにやってきたのだ。そうすれば、すべてが変わっていただろう。ぼくの人生も、彼女の人生も。ぼくたちはおたがいに承知していることを口にして出すことになり、それから、おそらく窓から離れると、ぼくのお粗末なベッドにいっしょに寝ていたのではないか。その後では、もしかすると次の汽車でいっしょに逃げていたかもしれない。」

いやそこまで想像力豊かなら、その想像を真実のものにしてしまうんだ、トム!しかしトムはキスしなかった。しなかったからこそ50年経ってもトムはアリスの事を覚えているのだろう。去って50年、トムは二度とこの村の人々の消息を聞かなかったというのも、その時の思い出を一生抱き続けられるからだ。もし本当に二人が駆け落ちしていたら、その後はお定まりの愁嘆場になり、すぐに忘れられてしまったかもしれない。

ガーディアン賞受賞作。

 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。​
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最終更新日  September 6, 2022 12:00:23 AM
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