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December 14, 2022
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みなさん、こんばんは。ワールドカップベスト4が出そろいましたね。
今日もジョージ・エリオット作品を紹介します。

ミドルマーチ 4
Middlemarch
ジョージ・エリオット
光文社文庫

 ミドルマーチはタイトルの架空の街を中心とした群像劇なので、全ての人間関係を説明していると、それだけで書評が終わってしまう。

 そんな中で堂々?ヒロインを張るドロシアの運命だけは追わないわけにいかない。理想に燃えて周囲の反対を押し切って結婚した相手カソーボンとの仲はやはり失敗で、迷惑な遺言条項まで残して先に亡くなってしまう。夫がしたただ一つのいいことは、その条項で成功したい思いはあっても叶わない貧乏青年でウィル・ラディスローが好きだという自分の気持ちにドロシアが気づいたことだ。ところが、そんなウィルの運命の扉を叩くのは、2巻で亡くなったフェザストーン老人の遺産受取人の義父で、人間的には堕落者のラッフルズ。彼はミドルマーチきっての名士バルストロードの過去を知っていた。

 ラディスローは競売会場でラッフルズに会い、ラディスローの母親が実家ダンカーク家の盗品売買業から逃げて舞台に立ったという話を聞き動揺する。バルストロード氏は過去にダンカーク家に雇われ質屋業を営み、ダンカーク氏の死後未亡人と結婚し、妻が死ぬと財産を一人で相続。実はその財産は妻の孫であるウィル・ラディスローにわたっていたはずだった。

バルストロードの暗い過去が知れ渡り、彼から融資を受けたリドゲイトにも世間から疑惑の目が向けられる。町中の非難をものともせず、自分が辛い時に力になってくれたからとリドゲイトを支援するのがドロシアという配役もよくできている。誰もが羨む妻ロザモンドは「恥ずかしいから私ロンドンに行きたい!」とわがまま嬢様ぶりを発揮しているのに、
「あなたに関して、不幸な誤解が生じていることは、存じています。最初にそれを聞いた瞬間から、私にはそれが誤解だとわかりました。あなたは悪いことのできる方ではありません。あなたが不名誉なことをされるはずがありませんもの」
これを言われたリドゲイトが、今まで誰にも言わなかった事を全て話すのも納得。やはり王道ヒロイン、いい所を持っていく。

第1巻で「聖女テレサが現代に現れたらどうなるか?」と問題提起された本作も、常に献身を最上の地位においていたドロシアが、名士にならずとも皆の尊敬を勝ち得るラストで答えを出す。
「世の中がだんだんよくなっていくのは、一部には、歴史に残らない行為によるものだからである。そして、私たちにとって物事が思ったほど悪くないのは、人知れず誠実に生き、誰も訪れることのない墓に眠る、数多くの人々のおかげでもあるからだ。」

 読者はあなたもまた無名の善人の一人である、と告げられたような気分になるだろう。今まで町で一番力を持ち、尊敬されていた人物が地に堕ちるというドラマティックを最終巻に持ってきたエリオット。群像劇を描くのが本当にお上手。読者にとって好きな人物、嫌いな人物があちこちに配され、裕福な者が必ずしも正しからず、貧しい者がかえって清廉潔白であるのはお約束。

2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。


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最終更新日  December 14, 2022 12:00:24 AM
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