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February 19, 2023
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みなさんこんばんは。北朝鮮の弾道ミサイルが日本のEEZ内に落下したようですね。まったくよく上げますね。今日もイーディス・ウォートン作品を紹介します。

無垢の時代
The Age of Innocence
イーディス・ウォートン
荒地出版社

1870年NYの音楽院でファウストが上演されることになり、ニューランド・アーチャーが劇場に向かう。




「第一にニューヨークは大都会であり、大都会ではオペラに早々と出掛けることは、「相応しいこと」ではなかった。そして「相応しいこと」かどうかがニューランド・アーチャーのニューヨークでは、何千年もの昔、つかみ所のない偶像への恐怖が彼の祖先の運命を支配したように、重要な役割を担っていた。」


冒頭でアーチャーの性格は明確だ。名家出身で、枠を外れることを良しとしない人物。劇場の席の真向いにはマンソン・ミンゴット夫人の桟敷があり、嫁のラヴェル・ミンゴット夫人と娘のウェランド夫人、その娘メイがいた。メイはニューランドの婚約者だ。そんな時男達が桟敷に現れた女性に気づく。

「ミンゴット家がここまでやるとは思わなかった」

ポーランド貴族の夫と別居しているエレン・オレンスカがNYに戻ってきたのだ。彼女はメイ・ウェランドの従姉である。

「彼は、未来のニューランド・アーチャー夫人が愚か者であって欲しくなかった。彼女は社交上の技法と即妙な機知を磨き、男性の称賛を得ながら軽やかにそれを拒否することが公認の慣習とされている「若手のグループ」の中で、もっとも人気のある既婚婦人としての地位を占めることを期待されていた。」


  結婚前に自身はラブ・アフェアがありながら、メイにはスキャンダルを起こして欲しくないと考える、当時は当たり前の-現代感覚で言えばジコチューで若干鼻もちならない-倫理観の持主であるニューランドが、当時の規範と悉く対立するエレンと出会って、ともすれば何もかも捨てて二人だけの愛の世界へ行きたい!などと考えるまでに感情が揺さぶられる。

ヨーロッパとは異なる価値観を求めて移住したはずの新天地アメリカの貴族社会でも、やはり彼の地と同様の価値観が行き渡り、愛人がいながら結婚生活を続ける夫を許せないエレンの気持ちを誰も共有してくれない。ウォートン作品の共通テーマ「居場所を求めるが得られないヒロイン」はエレンである。彼女にはヨーロッパで鍛えられ優れた芸術敵素養を持つ点が示されるが、当時としてはそれだけでは職業として成り立たない。そのため、離婚を止めにいくニューランドの価値観も、当時としてはさほど的外れではない。しかし、他ならぬ彼に離婚を止められたことがエレンにどう受け止められたかが、後追いで読者にも知らされる。規範を苦痛に思い、逃げ出したいと思っても実際にはあと一歩が踏み出せない優柔不断なニューランド。規範よりも自分の感情に正直に生きたいと思っても、他者の規範(というより気持ち)を壊すことまでは考えていないエレン。そして両者も社会の仕組みも分かりすぎるほどわかっていながらおくびにも出さず、表面上は無垢を装い自分の望みを叶えてしまう三人目の人物による、見えない内面と見える外見が巧みに合わさった人間ドラマ。


2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。





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最終更新日  February 19, 2023 12:00:22 AM
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