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March 12, 2023
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みなさんこんばんは。大手ハンバーガーチェーンの「ロッテリア」が牛丼チェーンの「すき家」などを運営する外食最大手「ゼンショーホールディングス」に売却されることになりました。今日もドストエフスキー作品を紹介します。

悪霊3
フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
亀山 郁夫訳
光文社古典新訳文庫

2巻で神父にありがたい助言を貰っておきながら、戻れない道を突き進むスタヴローギン。レビャートキン大尉の執拗な手紙に悩まされてきたリーザの懇願にまけて明言する。「不幸にしてこの男とは縁戚関係にある。この男の妹で旧姓をレビャートキナという女性の夫になって5年になる。」
「総じてロシア人というのは、どんな類のものであれ、スキャンダラスな社会混乱といったものがやたらに好きときている。」

「動乱時代、もしくは過渡の時代には、つねにどこにでもこういった連中が顔を出すものである。わたしが言っているのは、いわゆる「進歩的な」連中のことではない。「進歩的な」連中は、つねに人に先んじようと心がけているが、しばしばおそろしく愚劣ながら、多少なりともはっきりした目的をもっている。いや、いまわたしが言っているのは、ただのやくざな連中のことである。どこの社会にもいるこの種の手合いは、過渡の時代となるとかならずや顔を出し始める。目的など何ひとつもたないばかりか、ひとかけらの理想すらもちあわせていないくせに、全身をなげうって不安や焦りをひたすら述べ立てようとする。」

 本作で頻繁に顔を出すロシア批判を交えつつ、市長夫人ユーリア肝いりの女性教師支援目的の慈善パーティが悲惨な結果に終わる様を描く。ちなみにパーティで朗読を頼まれたのに、自分の恋バナを延々とやってブーイング浴びる作家カルマジーノフのモデルはツルゲーネフだそうだ。

 「本作はとにかく人が死ぬ」と言われていたので身構えていたが、確かに主役脇役関係なくばたばたと死んでゆく。テロリズムというのはそれぞれの死に意味を持たせない。テロリスト達が目的半ばで倒れてゆくのは、彼らが先に挙げた「進歩的な」連中ではなくもう一方だったということか。仲間の一人シガリョーフが作中で言うテロ計画
「現に活動している五人組の一つ一つが改宗者たちを作り、いくつもの支部として無限に広がりを持ちながら、システマチックな暴露プロパガンダをとおして地方権力の意味を絶え間なくうしなわせる。そうして、住民の間に不審の念を引きおこし、シニシズムとスキャンダルを、あらゆるものにたいする完全な不信とより良きものへの願いを生み、ついには、すぐれて民衆的な手段である火事にうったえ、あらかじめ定められた時点で、必要とあれば、ロシアを絶望の淵に突き落とすことを課題とする。」

は、現実に起こっているテロリズムの手法とも酷似している。

 今回神輿に担ぎ上げた側も担ぎ上げられた側にも覚悟と強い意思がなかったが、あれば成功するのはロシア革命が証明している。そうなった時、“内ゲバ”“テロリズム”ではなく“革命”と呼ばれる。


悪霊(3) (光文社古典新訳文庫) [ フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフス ]​​楽天ブックス






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最終更新日  March 12, 2023 12:00:22 AM
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