映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさん、こんばんは。映画音楽を多く手掛けたバート・バカラックがロサンゼルスの自宅で自然死のため死去しました。今日もイギリス映画を紹介します。
映画グッドライアー偽りのゲーム​を見ました。

グッドライアー偽りのゲーム​
The Good Liar

出演
ヘレン・ミレン　イアン・マッケラン　ジム・カーター

監督
ビル・コンドン

音楽
カーター・バウエル

原作
ニコラス・サール

　インターネットの出会い系サイトを通じて知り合った老紳士のロイと未亡人のベティ。実はベテラン詐欺師のロイは、夫を亡くしてまもない資産家ベティから全財産をだまし取ろうと策略をめぐらせていた。世間知らずのベティは徐々にロイのことを信頼するようになるのだが、単純な詐欺のはずだった計画は徐々に思いがけない方向へと進んでいき。

　ニコラス・サールの小説「老いたる詐欺師」原作。

　高齢者もネット見合いをするようになったか…と思いきや、かなり初めの出会いで、二人は偽名で登録していたことを打ち明ける。これが第一の嘘。しかし詐欺師が主人公である以上、嘘が一つでおさまるわけがない。イアン・マッケランの詐欺師っぷりは最初からかなりあからさまだ。ベティの家に入る時には、あからさまに杖をついて足が不自由であるふりをアピールしているのに、いない所ではひょいと杖を投げ捨て、すたすた歩く。別件の詐欺では「分け前をよこせ」と言ってきた詐欺師仲間をボコボコにして、隠れ蓑にしている肉屋の肉を買って叫び声を尻目に去っていく。なりは英国紳士なのに、やってるのは反社のボスそのもの。また別口の詐欺の手口は、自分も参加していると見せかけた投資話に乗らせ共同口座に振り込ませる。その後警察の手入れを偽装して逃亡させ、その隙に振り込んだ共同口座から金をごっそり。ベティに使った作戦も基本パターンは同じで、違うのは相手の前から立ち去る方法。ところが今回こっそり出ていこうとして致命的なものがないのに気づく。実はロイが立ち去る場面の直前に、鞄を置いて場を去るショットが挿入され、ちらっとベティが見ていた。

　そう、ベティにも思惑があったのだ。ヘレン・ミレンの性格は抑えめ。しかしながら演じているのが彼女なので、ただの人の良い資産家夫人になり得るはずがないと視聴者は思うはず。始終名優同志の騙し合いをわくわくして見ていた。



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