映画・海外ドラマ・本　ひとこと言いた～い

みなさんこんばんは。岸田首相がウクライナを電撃訪問しましたね。ただおみやげの必勝しゃもじはひんしゅくをかったとか。今日はフィギュアに夢中になる男性の実話を元にした映画を紹介します。

マーウェン​
Welcome To Marwen

監督＆脚本
ロバート・ゼメキス

音楽
アラン・シルベストリ

出演
ダイアン・クル―ガ―　スティーブ・カレル

　5人の男たちから暴行を受け、瀕死の重症を負ったマーク・ホーガンキャンプ。昏睡状態から目覚めた彼は、自分の名前も覚えておらず、歩くこともままならない状態だった。脳に障害を抱え、PTSDにも苦しむマークは、リハビリのためフィギュアの撮影を始め、自分や友人たち、そして自分を襲った男たちを模した人形を使って空想の世界「マーウェン」を作り上げる。マーウェンの中では、G.I.ジョーのホーギー大佐と5人のバービー人形がナチス親衛隊と日々戦いを繰り広げ、その様子を撮影したマークの写真は次第に評価され、やがて個展が開かれることになるが。
暴行を受けて心身ともに大きな傷を負った主人公が、独自の世界観でカメラマンとして認められ、現実と向き合う勇気を獲得していく姿を、実話をもとに描く。

　映画のモデルとなったマーク・ホーガンキャンプは、2000 年 4 月 8 日に暴行を受けた。体のあらゆる部分に怪我を負い、ホーガンキャンプは 9 日間昏睡状態に。暴行前の彼の人生の記憶は事実上消滅。彼の健康保険の制限により、リハビリの継続が妨げられた。加害者のうち刑務所に行ったのは 3 人だけで、全員が 2 年以内に釈放された。アメリカは銃社会というが、銃でなくても人を傷つけることはできる。記憶まで失うほどの暴行とはどれしてほどのものだったのか。そして加害者が軽い罪でまた社会復帰できることと、他方被害者が満足な治療を受けられないアメリカ社会の理不尽。なぜマークが襲われたのかは終盤に明かされるが、バーで異性装の傾向があることを明かした点にある。ハイヒールを履いていたことが、いかにもマッチョな加害者たちの勘に触ったのである。ただ嫌いだというだけで何をしてもいいというわけではない。

　現実のニコルへの愛情と仮装世界マーウェンコルの将校とニコルとの恋愛、ニコルの周辺にいる乱暴な男とマーウェンコルのナチ将校など、自身の作った空想の世界と現実がごっちゃになり苦しむシーンは辛い。トラウマ脱出のために創った仮想空間でもやはり悪はいる、ということか。本編は加害者の罪について問うというより、マークの再生過程にスポットを当てる。スティーヴン・カレルもロバート・ゼメキスもコメディ＆エンタメ映画の要素が強いので、こういったシリアスな映画での演技を見ると、幅広い演技ができる人なのだなぁと思う。



マーウェン【Blu-ray】 [ スティーヴ・カレル ]​​楽天ブックス​