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May 24, 2023
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みなさんこんばんは。米ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは現地時間23日、J・R・R・トールキンのファンタジー小説「指輪物語」に基づく『ロード・オブ・ザ・リング』新作映画を、複数製作すると発表しました。ユーモア中国小説を紹介します。

一日三秋​
劉 震雲
早川書房

日三秋とは、一日顔を合わせないだけで、三年も過ぎ去ったような気がするーそれほどに相手に対する情愛が強い例である。河南省延津に伝わる"花二娘"の、相手に恋焦がれる気持ちがまさにそうだ。

 長い間花二郎を待っていたが、待てど暮らせど戻ってこない。待っている間に川・雁・水に「あなたたちは変わらなくていいわね」と声をかけるが、皆以前の彼等とは違うことを知る。皆に笑われ、人を待つことが笑い話になったと知った花二娘は山になり、夢に現れて笑い話をせがむようになる。彼女がする笑い話はいつも同じだが、同じ笑い話は彼女には通用しない。彼女を笑わせられない者は「私をおぶって胡辣湯を飲みに連れて行って」と頼まれるが、花二娘は山なので乗っかられた人はもれなく死んでしまう。

 そんな伝説が伝わる延津で、中国の四大民間説話のひと『白蛇伝』を演じた三人の男女がいた。日本で言う所の安珍・清姫伝説のような異教婚姻譚だ。白蛇は正体を隠して許泉と結婚し幸せな生活を送っていたが、法力を持つ法海に退治される。

 白蛇を演じた桜桃は劇の上では許泉を演じた李延生と夫婦だったが、実際の夫は法海を演じた陳長傑だった。李延生は別の女性と結婚して延津にいた。ところが桜桃がニラの事で夫と喧嘩して首を吊ってしまうと、ある時李延生に取り憑き、頼みごとをする。桜桃の息子明亮は李延生が訪ねて来た時、母親の存在を感じ取るが何も言わない。陳長傑の再婚後、居づらくなった明亮は延津にやってきて李延生のもとで育ち、やがて馬生萌と結婚する。ところが彼女の過去が暴かれて延津に居づらくなってしまう。

 劉 震雲といえば、世知辛い世の中を洒落のめすユーモアが有名だったのに、今回は何だかキレが悪い。幽霊に操られて妻に嘘をつき友人の所に行く李延生の受難の日々は面白かったが、後半明亮とその妻馬生萌が受ける嫌がらせは笑えない。理不尽な出来事に遭った庶民が「こんな世の中に誰がした?政府じゃないか!」と政府に矛先を向け、奇策を用いて叩きのめす様が痛快だったのに、今回の作品ではそれがない。結局当事者間で落としどころを見つけるだけだ。解説に著者が書きづらさを吐露していたとコメントがあった。伝説では笑い話をしないと殺されるのに、現代中国では、笑い話を書くと殺されるのか?


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最終更新日  May 24, 2023 12:00:22 AM
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