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July 5, 2023
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みなさんこんばんは。ミュシャの作品から「味覚」にまつわる作品をピックアップし紹介する企画展「おいしいミュシャ 5感であじわうアール・ヌーヴォー」が大阪・堺市の堺 アルフォンス・ミュシャ館で開催中です。実際のエチオピアの歴史とリンクした小説を紹介します。

影の王
The Shadow King
マアザ・メンギステ
早川書房

 1935年、エチオピア。孤児になった少女ヒルトは、貴族のキダネとアステル夫妻の家で使用人として暮らすことになる。そんな中、ムッソリーニ率いるイタリア軍侵攻の足音が近づいてきて。

 第二次大戦前、エチオピアはリベリアと並んでアフリカの黒人国家で独立を守り切った国家だった。皇帝に即位したハイレ・セラシエ1世は黒人の現人神たる救世主「ジャー」であると見なすラスタファリ運動により、国民に人気があった。ところがイタリアの統領ベニート・ムッソリーニは、1931年時点で人口が4,200万人に達していたイタリア国内の過剰人口を入植させるための「東アフリカ帝国」の建設を目論み、1935年10月3日に軍をエチオピア帝国に侵攻させた。皇帝ハイレ・セラシエ1世は英国ロンドンに亡命し、1936年5月5日にイタリア軍が首都アディスアベバに入城。国のトップが国を捨てて逃げたにも関わらず、国内ではレジスタンス運動が盛んだった。しかし、結果的にイタリアを倒したのはイギリス軍で、支援を受けた皇帝は再び帰国。これが物語の背景である。

 “影の王”(原題も同じ)というタイトルから想起されるのは、亡命中の皇帝に成り代わった男であり、彼の物語であるかのようだ。確かにそのような男性は出てくるが、最初から正体は明かされており、正直サスペンス要素も人物像の掘り下げも行われない。

 逆に掘り下げられるのは、影の王を守って戦った女性兵士二人と、彼女達とかかわりのある男性二人だ。孤児で搾取され虐げられるばかりの存在から、祖国の危機において先頭に立つ存在になるヒルト、ヒルトとは愛憎半ばする関係にありながら、やはり祖国を救う戦いに身を投じるアステル、二人の女性の間で揺れるキダネ、「こんなつもりじゃなかった」と思いながら望まぬ写真を撮り、家族とも疎遠な写真家エットレ、偉大なローマ帝国の復活を夢想し、エットレに写真撮影を命じるリーダーとその愛人、彼等の使用人となる料理人、彼等の心情がコロス=コーラスのように交錯して描かれる。皇帝についても、幕間パートで断片的に三人称で綴られるが、亡命先でイタリアオペラを聴く彼と国内にいる人々とは、明らかな温度差がある。エチオピアとイタリアの因縁を、本書を読んで初めて知る読者も多いのではないか。本書はまた、戦時下において女性がどのような扱いを受けるか―どのような危機に陥りやすいか―という点についても述べている。実際に先の戦争でもエチオピアで戦った女性兵士はおり、物語に登場する銃のエピソードは著者の曾祖母に起因している。

2020年ブッカー賞最終候補作。


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最終更新日  July 5, 2023 12:48:14 AM
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