|
全て
| 料理&お菓子&旅&演劇&その他2
| フランス映画
| 韓国ドラマ・赤と黒(ナップンナムジャ)
| その他の地域の映画&ドラマ
| アメリカ映画
| 韓国映画
| 真田広之
| 韓国ドラマ
| アメリカドラマ
| その他のジャンルの日本の小説
| 日本のミステリー小説
| イギリスドラマ
| よしながふみ漫画&ドラマ&映画大奥
| 漫画・アニメ
| 日本ドラマ
| 中国&台湾映画
| 日本の作家が書いた歴史小説
| 海外のノンフィクション・エッセイ・その他のジャンル
| 東欧・ロシア映画
| イギリス&アイルランド映画
| オランダ映画&オランダドラマ
| 北欧映画
| その他のジャンルの海外小説
| 日本の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| 日本作家によるノンフィクション&エッセイ・その他のジャンル
| 日本映画
| 海外の絵本・童話・児童書・ティーンズ小説
| カナダの映画&ドラマ
| ドイツ映画&ドイツドラマ
| 日本のファンタジー小説
| 海外のミステリー&ファンタジー小説
| 堺雅人
| 日本ドラマ:歴史ドラマ&時代劇
| 三浦しをん:まほろ駅前シリーズ
| 山田風太郎
| 香川照之
| 松山ケンイチ
| 海外の作家が書いた歴史小説
| ジェイク・ギレンホール
| イギリスドラマ:SHERLOCK
| 塩野七生
| 吉田鋼太郎
| イタリア映画&イタリアドラマ
| ローズマリー・サトクリフ
| 大杉蓮
| ベネディクト・カンバーバッチ
| インド映画
| 長谷川博己
| 内野聖陽
| 林遣都
| ムロツヨシ
| ジョシュ・オコナ―
| 井浦新
| 菅田将暉
| ディーン・フジオカ
| 台湾ドラマ&中国ドラマ
カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさんこんばんは。25日の最高気温は北海道から北陸を中心に今シーズンこれまでで一番低くなっています。ヘニング・マンケルの未訳本も少なくなってきました。
スウェーディッシュ・ブーツ Svwnska Gummistrovlar ヘニング・マンケル 東京創元社 「およそ一年前の秋の夜、家が全焼した」 という文章で始まる。ヴァランダーシリーズで知られるマンケルなのだから、当然この火事は放火であり、犯人捜しが始まると想像できる。しかし主人公フレデリック・ヴェリーンは元医師で70歳だ。捜査権限がなく、自身に降りかかった災難だとしても、おいそれと動けない。それどころか、放火の疑いをかけられ被疑者になってしまう。ところがその後、周囲の島でも放火らしき火事が連続して発生する。 本編はマンケルが58歳の時に書いた『イタリアン・シューズ』の続編である。『イタリアン・シューズ』の時66歳だったヴェリーンは70歳。主人公が捜査しないので、放火事件の真相究明のテンポは遅い。メインとなるのは、全てをなくして感じる老いと孤独への恐怖、過去の回想、前作で突如存在がわかった娘ルイースとの関係、放火事件を取材にきた地方新聞の記者リーサ・モディーンとの関係である。 小島で世捨て人同然の暮らしをしていたヴェリーンを社会に引き出すのは、リーサとルイース、若き女性二人である。事件を取材したリーサを通じて自身がどう見られているかを実感し、パリにまで行くことになったルイースを通じて、世界で問題になっている難民と直に接する。 娘とのぎくしゃくした関係はヴァランダーシリーズでもおなじみだった。後者については 「私は俄然元気になり、この女性に対して激しい愛情が湧き上がった」 「突然湧き上がった激しい感情。我々老人にはもうこれしかないのだ」 と明らかに恋心を抱いている。リーサもヴェリーンの感情に気づくが、彼女は30歳ほども年下で、はっきりと恋愛対象ではないと言われてしまう。時に滑稽にも見える行動を繰り返すヴェリーンのリーサへの想いは 「年取った人間には時間がない」 とあるように、老いへの抵抗も多分に影響している。しかし様々な葛藤を経て 「これからどうやってこの突然の痛み、この哀しみに耐えることができるのだろうという思いに襲われた。人生をやり直すには私は年を取過ぎている。未來は?空っぽだ。」 と呆然自失状態だったヴェリーンは 「私はもはや暗闇を怖れてはいない」 という境地に達する。暗闇=死である。ヴェリーンは冒頭の火事でスウェーディッシュ・ブーツ=長靴を片方なくし、注文するがサイズが合わなかったりしてなかなか揃わない。やっと届いた所で幕。靴が揃う→歩ける→ヴェリーンに安定が戻る、の比喩。 スウェーディッシュ・ブーツ [ ヘニング・マンケル ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
November 26, 2023 12:00:26 AM
コメント(0) | コメントを書く
[海外のミステリー&ファンタジー小説] カテゴリの最新記事
|
|