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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさんこんばんは。サザンオールスターズの桑田佳祐と、シンガー・ソングライターの松任谷由実による夢のコラボレーションが実現しました。27日午前0時から、桑田佳祐&松任谷由実名義で「Kissin’ Christmas(クリスマスだからじゃない)2023」を先行配信するそうです。今日は北欧のホームズともいうべき人物が登場する作品を紹介します。
闇の牢獄 Obscuritas ダヴィド・ラーゲルクランツ KADOKAWA ストックホルムで起きた、サッカー審判員撲殺事件。地域警官のミカエラは捜査に参加し、尋問のスペシャリストで心理学者のハンス・レッケと出会う。独特の心理分析で捜査陣をかく乱するレッケだったが、ある日ミカエラが地下鉄に飛びこもうとした彼を救ったことをきっかけに、二人は被害者の裏の顔と、事件の奥に潜む外交機密に突き当たる。元ピアニストの経歴を持つレッケは、アフガニスタン移民である被害者の中に音楽の痕跡を見つけるが、そこには凄惨な過去が待ち構えていた。 『ミレニアム』シリーズを書き継いだ著者の三部作第一作。レッケが出会い頭に初対面の人物について次々言い当てる場面他 1.兄が優等生タイプで組織に属している 2。薬物中毒 など、レッケについてはかなりホームズを意識したキャラクター設定である。 一方相違点としては 1.レッケの悪癖は過去のトラウマが原因で、離婚したが妻と子がいる 2.レッケは尋問技術の権威である 3.鬱病のレッケの危機をミカエラが救う 4.ミカエラには犯罪者の兄がおり 警察はその事を利用する 5.医師として一定の尊敬を得ているワトソンに対して、ミカエラは自身で能力を証明しなければならない 6.上流階級のレッケと移民のミカエラ 二人の間に階級差がある など、ミカエラにかなりオリジナル要素を詰め込んだキャラクター設定となっている。ワトソンは、語り手としてシャーロックの才に惚れ込んでいる。ミカエラもレッケの並外れた才能は認めつつも、彼の危うさも目の前で見ているので、気遣いつつもワトソンよりはやや対等な立場で物を言う。ミカエラの思い切りの良さが窺える。ワトソン役が女性のため周囲が恋愛関係を疑うのは、ワトソンの性別を変えたテレビシリーズと同様だ。移民問題、ISを絡めたのは現代の視点である。しぜん、世界も絡むため、落としどころは勧善懲悪めでたしめでたし、という感触ではない。ただ、ミステリの大きな要素の一つであるホワイダニットが曖昧な点は残念だ。また、事件の真相を暴く面はあるものの、二人が或る組織の所業を暴いていく告発要素もある。 第一作目ラストにレッケを訪ねて来た人物が、第二作の依頼人だ。ミカエラの父の死の真相といい、三作目までに解明されなければならない謎があちこちに散りばめられている。 闇の牢獄(1) [ ダヴィド・ラーゲルクランツ ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 27, 2023 12:00:33 AM
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