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カテゴリ:海外のミステリー&ファンタジー小説
みなさんこんばんは。郷ひろみさんの「お嫁サンバ」や松田聖子さんの「青い珊瑚礁」などで知られる作詞家の三浦徳子さんが亡くなりましたね。今日は猜疑心がどんどんふくらんでいく女性が主人公のミステリを紹介します。
ミセス・マーチの果てしない猜疑心 Mrs.March (ハヤカワ・ミステリ文庫) ヴァージニア・フェイト 例によって表紙絵は意味深だ。実はミセス・マーチには名前がない。最初から最後まで出てこない。結婚前の生活を説明する際も、彼女は一貫して既婚者の称号で呼ばれる。彼女の姉はきちんと名前で呼ばれる。つまり、誰でも成り代われる存在ということだ。表紙絵ですら、彼女のお気に入りの手袋で顔が隠されている。 人気作家の妻、ミセス・マーチは息子ジョナサン、売れっ子作家の夫ジョージと誰もが羨む幸福な日々を送っていた。しかし、夫の新作小説の主人公であるいかがわしい職業の醜い女性は自分をモデルにしているという不名誉な噂により精神のバランスを崩してしまう。 ミセス・マーチが「登場人物が自分に似てるかどうか」なんて悩んでおらず、さっさと本を読んでしまえば解決するのだが、しない。理由は、時代が現代ではないことに起因する。女性は手袋を着用するのが望ましく(表紙絵参照)、人々は屋内で喫煙し、ストッキングを履いていない女性の脚は道徳的退廃の兆候と見做される。女性はあくまでつつましく、物事をはっきり言う女性は好まれない。 ミセス・マーチは次第に妄想を膨らませていく。彼女だけが家の中で見たというが、やってきた業者はいないと言うゴキブリも、彼女の心に潜む邪魔者の象徴である。ジョージが殺人事件の記事を取っておいたという事実だけで「世間を賑わす殺人犯の正体は夫にちがいない」と思い込むところがもう常人と違っているのだが、あいにくその変化は他人にはわからない。他人に悩みを打ち明けるでもなく、ひたすらタイトル通り妄想を膨らませていくミセス・マーチ。幼い頃から暴力への衝動があった事が明らかになるなど、彼女自身も信頼できない語り手である。書かれている事が現実なのか、それとも彼女の妄想なのか。書かれてない何かがあるのではないか。非常にわかりにくい迷路をうねうね進んでいくようなサイコサスペンス。 著者デビュー作。『ハンドメイズ・テール』主演女優エリザベス・モスが自身のプロダクションで映画化発表。 ミセス・マーチの果てしない猜疑心 (ハヤカワ・ミステリ文庫) [ ヴァージニア・フェイト ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
December 30, 2023 10:13:49 AM
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