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テーマ:DVD映画鑑賞(14217)
カテゴリ:北欧映画
みなさんこんばんは。
第81回ゴールデン・グローブ賞授賞式が現地時間7日に米ロサンゼルスで行われ、スタジオジブリの宮崎駿監督作『君たちはどう生きるか』がアニメーション作品賞を受賞しました。映画トーベを見ました。 トーベ TOVE 第二次世界大戦下のフィンランド・ヘルシンキ。激しい戦火の中、画家トーベ・ヤンソンは自分を慰めるように、不思議な「ムーミントロール」の物語を描き始める。やがて戦争が終わると、彼女は爆撃でほとんど廃墟と化したアトリエを借り、本業である絵画制作に打ち込んでいくのだが、著名な彫刻家でもある厳格な父との軋轢、保守的な美術界との葛藤の中で満たされない日々を送っていた。それでも、若き芸術家たちとの目まぐるしいパーティーや恋愛、様々な経験を経て、自由を渇望するトーベの強い思いはムーミンの物語とともに大きく膨らんでゆく。そんな中、彼女は舞台演出家のヴィヴィカ・バンドラーと出会い激しい恋に落ちる。それはムーミンの物語、そしてトーベ自身の運命の歯車が大きく動き始めた瞬間だった。 映画はいきなり戦争シーンから。第二次大戦で防空壕に逃げるトーベが、今のウクライナの子供たちに重なる。母親も画家で父親も彫刻家というがちがちの芸術一家に生まれたトーベが同じ道を選ぶのは、既定路線だったろう。ただ彫刻は芸術と認めるものの、トーベの描くムーミンは、今でこそ大人気絵本だが、女子供の手すさび扱いされ、父親にも認められない。疎外感が彼女を家族以外の場所へと向かわせた。そして次々と恋人を変える初めての同性の愛人が登場し、ムーミン作家の生涯は、子供にはちょっと刺激的かもしれない。というか、ムーミン絵本はそもそも「楽しいムーミン村の愉快な仲間たち」というほのぼのした話ではない。 ムーミンって大人になって改めて読んでみるといろいろ変。まずムーミンってカバ?と思ったけど外観はちょっと違う。アニメになったら声もでてかわいけど、正直絵本のムーミンってかわいいとは言い難い。旅人スナフキンは家庭ももたず、ふらっとムーミン谷にやってきてはまた旅に出てしまう自由人の象徴だったが、トーベのパートナーでもある政治家のアトス・ヴィルタネンがモデルだったとか。ムーミンパパが旅に出てしまったり(自分探し?)と絵本でありながら書かれている内容は大人向け。 日本を始め世界中で愛されるムーミンの物語。それは画家としてキャリアをスタートさせたアーティスト、トーベ・ヤンソン自身の人生を投影して生み出されたものだった。文学、コミックス、舞台芸術、アニメーションなど、今日においても色褪せること無く人々を楽しませ続けるムーミンのキャラクターたちは、いかにして生み出されていったのか。本作はトーベ自身の人生のあり方とともに、その創作の秘密に肉薄してゆく。本国フィンランドでは公開されるや大絶賛で迎えられ、スウェーデン語で描かれたフィンランド映画としては史上最高のオープニング成績を記録。公開から約二カ月にわたり週間観客動員数ランキングで連続1位を維持するなどロングラン大ヒット。更に第93回アカデミー賞国際長編映画賞フィンランド代表へ選出されたのをはじめ、数々の映画賞を席巻。 TOVE/トーベ [ アルマ・ボウスティ ]楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
January 17, 2024 04:53:59 AM
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