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カテゴリ:その他のジャンルの海外小説
みなさんこんばんは。『オール・バイ・マイセルフ』などのヒット曲で知られるエリック・カルメンさんが亡くなりましたね。今日もサッカレーの虚栄の市のレビューを書きます。
虚栄の市〈三〉 Vanity Fair ウィリアム・メイクピース・サッカレー 岩波文庫 「この本物のお仲間に入れてもらうために、彼女たちのする死にもの狂いの努力、あえて実行する汚い手口、耐えねばならないその屈辱、といった事柄は、人間を、いや女性を研究対象としている作家にとって、実に面白い材料である。艱難辛苦をものともせずに上流を目指す女性たちの一挙手一投足は、既知もあり暇もあり、そんな物語を組み立てるのに必要な言語能力も備えた者にとっては、またとない恰好の題材となるだろう。」 はいはい、だからあなたが書いたってことね、作家殿。で、その筆頭格がベッキー。レディ・クローリーことベッキーは、元ガヴァネスだった過去が災いして、社交界の一部の女性達には無視される そんな状況を夫ロードンは怒っていたが、ベッキーは「あんただって、ばくちで沢山すったでしょう」とつれない。一方で、兄夫妻と喧嘩しない方がいいわよ、とアドバイス。 「万が一、お兄さんやその跡取り息子が亡くなったりすれば、あなたはロードン卿でわたしは令夫人ですものね。命あれば希望ありですよ。わたしがあなたを一廉の人物にしてみせますから安心なさい。あなたのために上手に馬を売ってあげたのは誰だったかしら?借金をきれいに片づけてあげたのは誰だったかしら?」 あらベッキー、すごく頼りがいがあって、いい奥様じゃない!だが、この時代、ベッキーのような奥様は出しゃばりなのかな? 「女房はおれよりずっと賢いんだよ、それは、おれにもよくわかっているさ。あいつは、おれなんかいなくったって平気なんだよ」 デキる妻に拗ねモードの夫。こどもかあんた。面白いなこの格差カップル。 さて、ダブルヒロインの一人であるアミーリアは、息子ジョージ―にべったり。彼女は意識していないが、身近には崇拝者で夫の親友ドビンがいる。彼が誰かと婚約したと聞いて、ちょっと変な気持ちになるが、おめでとうメールならぬ手紙をよこしたりする無自覚な所がある(いや彼はあなたに夢中なんですってばさわかんないかなあもう)。当然ドビンは大ショック。 「ああ、アミーリア、アミーリア ぼくはあなたにこんなに誠意を尽くしたのに、あなたはどうしてぼくをそんなに傷つけるんですか!ぼくがこんなに味気ない生活を送っているのも、あなたがぼくのことをちっとも思ってくれないからですよ。何年も誠意を尽くしたのに、あなたがぼくにくれる褒美といえば、こんな派手派手しいアイルランド女との結婚を祝福してくれることだけなんですか!」 うんうんわかるよドビン。君は全く悪くないよ。 「彼女と身近に接した男は誰でも、間違いなく彼女のことが好きになった。そのくせ、アミーリアのどこがそんなに良いのかと聞かれると、たいていは返事に窮してしまうのだった。彼女は際立って頭が切れるわけではなく、才気が迸るというタイプでもなく、大して聡明でもなくとびきりの美人というのでもなかったのだから。だが、アミーリアはどこへ行こうと、彼女に出会ったすべての男の心を動かし、魅了した。」 ベッキーとは別の意味でモテキ到来のアミーリア。だが残念ながら、ダメ男なのに亡き夫を崇拝している彼女に全く再婚の意思がない。いや、再婚考えた方がいいと思うよ。なぜならオズボーン家では孫息子奪還作戦を計画中で、甲斐性なしの君の父親は二度目の破産をするからだ。君の周りにはろくな男がいないなアミーリア。何か憑いてるんじゃないか。お祓いに行こうぜひ。彼女は息子の幸せのため、オズボーン家に泣く泣く差し出す。一方、上り詰める一方だったベッキーに、ダメ亭主ロードン遂に鉄槌を下す!ををやっとか。というか君にそんな度胸が。次回最終巻。早いな! 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。 『中古』虚栄の市〈三〉 (岩波文庫)KSC お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
March 16, 2024 12:00:24 AM
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