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June 16, 2024
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みなさんこんばんは。口で筆をくわえて絵を描く星野富弘さんがなくなりましたね。
今日はフランシス・ハーディングのファンタジー小説を紹介します。

呪いを解く者
The Unraveller
フランシス・ハーディング
東京創元社

ハーディング作品は表紙絵に物語のヒントが含まれている。中央に舟を漕ぐ男女。船にはカモメがとまっており、背景の氷山にはサギがいる。空中にかかっているかのような蜘蛛の糸には、釣り針にぶら下がった魚が引っかかっている。右横に目が赤い黒馬。さて、空中に張り巡らされた蜘蛛の糸のようなものは何? 

 答えは呪いである。本編では、呪いは蜘蛛の糸で表現される。15歳の少年ケレンは、呪いの糸をほどく“ほどき屋”だ。

 原野と呼ばれる沼の森があるラディスでは、小さな仲間という生き物がもたらす呪いで、動物に変えられる人間が出ていた。ケレンは自分が呪いを解いた15歳の少女ネトルを相棒に、呪いに悩む人々の元に赴いていた。ある時呪い人を収容している病院から、何者かが呪い人を解放したと知り、陰謀に巻き込まれていく。

 ハーディング作品では、家族-特に父親-のツケを払ってきた少女が主人公の物語が続いたが、今回は少年少女の二人組が主役となる。ティーンが能力一つで大人社会の中に入って活躍する物語でもあるので、わくわくする冒険物語の要素がある。

 但し、本編はダーク・ファンタジー。両主人公とも重いものを背負っている。それぞれに家族がいるが、ケレンは能力故に家族と離れなければならなくなり、ネトルは継母に兄弟と共に呪いをかけられてしまう。兄がタカとカモメ、姉がハトに変わるが、その刹那、タカの兄がハトの姉を食い殺す場面が直後に登場し、呪いの残酷さを読者にも見せつける。

 呪いをかけられた兄弟の物語は『野の白鳥』からのインスパイアだそうだ。『野の白鳥』では、エリサの尽力により、全ての兄弟は人間に戻ったが、今回ネトルの兄ヤニックは、チャンスを拒否し、カモメでいることを選択する。目の前で兄弟の殺し合いを見てしまった事も関係しているが、人間に戻る事への恐れも抱えている設定。次第に鳥としての習性に染まりつつある兄を見て、ネトルは複雑な思いに駆られる。二人主人公のうち、ケレンは何でもストレートに反応する動、トラブルメーカーの彼をなだめるネトルは静のイメージだが、これが後半の伏線に繋がる。

 呪いをかけられた人が被害者で、かけた人が加害者という一面的な描き方はされていない。ケレンは単に呪いを解けば問題は解決だと感じていた節があるが、様々な呪いの現場に遭遇するうち、「呪いは勿論悪いが、虐げられた者の、唯一の武器でもある。むしろ、呪われるような事をしてはいけない。」と、これまでの仕事に疑問を抱くようになる。本当に解きほぐさなければならないのは、呪いの糸ではなく、縺れた人間関係であると気づく主人公の成長に、人間関係の在り方を重ねている。時に人は呪う側にも、また、呪う側にもなり得る存在なのだ。


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最終更新日  June 16, 2024 12:00:28 AM
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