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June 29, 2024
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みなさんこんばんは。脚本家の小山内美江子さんが亡くなりましたね。
マーガレット・ドラブルの小説を紹介します。


碾臼
The Millstone
M・ドラブル
河出文庫

「わたしのこれまでの人生をみると、いつでも、へんに自信と臆病心が裏表になっていたことがわかる。それだけがわたしの人生だったとさえ言えるのだ。」

から始まる物語は、臆病心を持っているとは思えない主人公の行動から始まる。

ロザマンド・ステイシーは、哲学博士になるための論文を書きながら仕事をしており、小説家のジョーと法律家のロジャーと付き合っていた。しかし、初めての妊娠の相手は、BBC放送のニュース・キャスター、ジョージ・マシューズだった。彼が同性愛者であるが故に、深い関係を望まないだろうと見込んでいたのだが、予定外の妊娠をしてしまった。

 お腹も目立つようになってきたある日のこと、親友で小説家のリディアが泊めてくれるように頼んできた。身の廻りのちょっとしたことも不自由してきたロザマンドは申し出に応じ、二人の共同生活が始まった。リディアが持ち込んだテレビによって、ブラウン管を通じてジョージの顔がしばしば見られるようになった。十ヵ月目、可愛い女の子が生まれた。オクティヴィアと名付けた。生後間もなくオクティヴィアが風邪を引き、何でもないように思えた音は、実は心臓障害で、手術をしなければならなかった。

 特に好きでもない相手と関係を持ち、妊娠しても特に母親としての責任に目覚めたわけでもないヒロインが、恵まれた環境のもとで出産・子育てをする。そう、彼女が自覚している通り、兄姉がいてもうるさく言ってこないし、友人は助けてくれる。海外赴任中の両親は使わない家を提供してくれる、等々、恵まれた条件が揃ってこそ決断できる未婚の母である。皆がこううまくいくわけではない。


「今わたしの発見したさまざまの事実が、あのおみごとな両親がつねにわたしたち子供にするどく突きつけていた事実とまさに一致するということだった。つまり人間のあいだには、許しがたい、不均等で悲惨な苦しみがある。不公平だったり、拘束があったり、差別があったりする、という事実である。」


 妊娠・出産・子育てと初めての経験に遭遇して、彼女なりに成長はしている。しかし、無意識に周囲の人たちを下に見るような姿勢が随所に感じられて、中産階級の女性は皆こうなのかと思った。病気になった娘に会いにロザマンドが会いに行った件は特にひどい。看護師長が面会謝絶だと言っているのに、ロザマンドは人目もはばからず喚き散らす。他にもいっぱい患者がいる病院の迷惑であり、結局特権的な地位を笠に着て看護師たちに振る舞っているような感が否めない。父と知り合いのプロズロー医師が出てきて面会許可を出すが、それも看護師たちにとっては面目丸つぶれである。

「それまでのわたしは、人と人を結ぶ絆を、口ではうまいことを言いながらも、じつにたくみに避けていた。」

ボーイフレンドともつかず離れずの関係を築いてきたロザマンドだが、子供が生まれれば様々な人との関わりが増えてくる。ロザマンドを本当に大人にしてくれるのは、まだ幼いオクティヴィアではないか。

 2009年に英国ガーディアン紙が発表した、「英ガーディアン紙が選ぶ必読小説1000冊」選出。

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最終更新日  June 29, 2024 12:00:51 AM
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