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みなさんこんばんは。１月の米大統領選に向けて民主党のバイデン大統領はＣＮＮ主催の第１回テレビ討論会で共和党のトランプ前大統領と対決し〝大失敗〟し、釈明に追われているそうです。表情に乏しく、身ぶり手ぶりがなく、声も小さく、言葉に詰まり、発言は事実誤認だらけの上、話しながらオナラをしたと指摘されるなど、散々だったとか。今日は平家に絡んだミステリを紹介します。


蝶として死す: 平家物語推理抄​
ミステリ・フロンティア
東京創元社
羽生 飛鳥​​

平家は一族揃って滅んで行き、源氏は一族争い合って、やはり滅びていく。しかし平家で生き残った人物がいた。池殿こと平頼盛である。生母池禅尼が頼朝の命乞いをした縁で頼朝に厚遇され、平家滅亡後も宮廷に出仕するが、今度は頼朝と対立した後白河院から敵視される。生き残る側も、その時々の権力者の機嫌を取らなければならないため、いろいろ大変だ。

　源平合戦の裏で行われていた、生き残りを図る頼盛の戦いを五つの事件を通じて描く。ミステリーが主眼だが、事件解決の後に、頼盛が対峙する時の権力者の思惑を知る二段重ねの展開もあり、彼等との丁々発止のやり取りもなかなかスリリング。平家隆盛時は兄清盛、源氏有利に転じた時は、木曽義仲、頼朝らに頭を押さえられた自身を蛹と称し、いつか蝶になる日を夢見ている。タイトルは彼のそんな思いを反映している。初短編集とあって、参考文献の多い事多い事。

　キャラクター頼盛は、“年がいっているのに若く見える”点をやけに強調されており、表紙絵もその点を忠実に反映。主人公を“生き残った側”としたことで、源平それぞれの実力者の側面も描け、かつ有名人を無理なく登場させることができる。高倉帝、平清盛、北条時政、木曽義仲など、大河ドラマでもおなじみの面々が登場。

　平清盛の配下である童子・禿髪が惨殺された事件を扱う「禿髪殺し」首のない五つの死体から探している人物を特定せよと言われる「屍実盛」帝の庇護下にあった寵姫葵前の死の真相を探る「葵前哀れ」義高の話をするとどこからともなく大姫が現れる謎を解く「弔千手」平家の末裔をかくまっているとして、頼盛自身が疑われる「六代秘話」収録。


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